独IFO業況指数、12月は低下 経済低迷「慢性化」
Rachel More [ベルリン 17日 ロイター] - 独IFO経済研究所が17日発表した12月の業況指数は前月改定値の85.6から84.7に低下し、アナリスト予想(85.6)も下回った。 調査は約9000人の企業経営者を対象に実施。地政学的な不確実性と国内産業の不振を背景に、企業は今後数カ月を悲観的に捉えている。 IFOのクレメンス・フュースト所長は「ドイツ経済の低迷は慢性化している」と述べた。 現況指数は改善したものの、期待指数は11月の87.0から84.4へと予想(87.5)に反して低下した。 VPバンク・グループのチーフエコノミスト、トーマス・ギッツェル氏は「製造業とサービス業はともに厳しい状況に置かれている。サービス業では、労働市場の悪化見通しが緩慢ながらも確実に根を下ろしつつあるようだ」と語った。 コメルツ銀行のチーフエコノミスト、ヨルグ・クレーマー氏は、ドイツ産業界の根深い問題を巡るムードの悪さを指摘し「欧州中央銀行(ECB)の利下げ効果は国内総生産(GDP)にプラスのインパクトを与えそうにない」と述べ、2025年の成長率を0.2%を予想した。 ハンブルク商業銀行のサイラス・デラルビア氏は、企業は見通し悪化を受け、特に来年の選挙に向けた各政党のマニフェストを待ち、短期的に投資を手控えると予想。「来年前半に経済情勢で根本的な改善は見られないだろう」と述べた。 一方、この日発表された欧州経済センター(ZEW)の12月の景気期待指数は15.7と、11月の7.4から予想外に上昇した。アナリストは6.5に低下すると予想していた。 ZEWのワムバッハ所長は、来年2月の選挙は短期的には不確実要因だが、長期で見ると新政権が経済立て直しの道を見つけるという期待をもたらすと指摘。「民間投資を促進する経済政策が打ち出されるとの期待や追加利下げ観測で経済見通しが改善している」と述べた。