第2のハリポタ? 英語圏600万部を記録、全米が熱狂する“ロマンタジー”小説 日本でもブームとなるか
■「王道は一歩間違えると陳腐に陥りがちだが、映像が見えやすく惹きつける構造」
原作者のレベッカ・ヤロスは、これまで現代ものロマンス小説を15作以上手がけて来た作家で、初めて手がけたファンタジーものが本書であることに触れ、「とにかく驚きしかない」と東方さん。 「もともとミリタリーが得意な作家なので、本書における軍事大学の構造や軍服の細かい描写はもちろんですが、まるでヘリコプターがホバリングするように空中を自在に飛び回る竜の描写は、実にリアリティに富んでいると思います」 原島さんも描写や展開のセンスを絶賛する。 「竜に魔法、学園設定に恋愛、ライバル、友情…と基本的には王道のお話で、王道は一歩間違えると陳腐に陥りがちですが、キャラクターの魅力や『え!そこで終わるの?』という組み立て方の上手さがあります。映像が見えやすく惹きつける構造で、そこが作家のセンスで、全米でウケている要因だと思います」 本国ではすでに2巻が発売されており、来年には早くも3巻が出るとのことで、日本版第2巻の1日でも早い発売が待ち望まれている本書。すでに1巻を読まれている方ならばご存じの通り、『スマホを落としただけなのに』ではないが、仲間について行っただけなのに、ヴァイオレットはなんだかエライことになって終わっており、読者の多くが次の展開を固唾を呑んで見守っている状態。言わば1巻は『竜騎手学校編』であり、今後も様々な『~編』と続いていくことが予想される。Amazonの実写化も映画ではなく、ぜひとも連続ドラマを期待したい。 日本版は今年9月の発売直後から、ブックファースト、ジュンク堂書店、丸善といった大手書店の都内一部店舗の「文芸書ランキング」TOP10にランクイン。今後の動向に注目が集まる。 (取材・文/榑林史章)