旅の新トレンド「分散型ホテル」おすすめ 10
フロントがある「近江屋」(写真)は、かつて旧東海道沿いで呉服屋を営んでいた間口6軒という大旦那の家。 ここにはコンシェルジュがおり、朝食にぴったりのパン屋さんやモーニングのある喫茶店から、贅沢な夕食が楽しめる老舗の割烹、近江牛の名店、そして気軽な居酒屋や定食屋まで、希望に合わせて紹介してくれる。 また、宿泊料金1名分のうち150円は「ステイファンディング」として商店街に寄付される。宿泊者はローカルな魅力を楽しむと同時に、街の再生に貢献できるという仕組みになっている。
一棟貸し5棟を含む全13室は、すべて違う間取りや内装。フィン・ユールやハンス・ウェグナーといった有名デザイナーの名作家具が、風情あふれる町屋のしつらえと調和し、インテリア好きにはたまらない空間が演出されている。 また、清潔感と機能性にあふれるバスルームもしくはシャワールームも完備しており、一部客室にはゆったりとくつろげる檜風呂もついているのが嬉しい(写真は一棟貸しの「糀屋(こうじや)」のバスルーム)。
宿の周辺には魅力的な飲食店のほか、享保元年創業の提灯専門店や江戸中期からこの地で酒づくりを行う酒造など、見どころがいっぱい。名店を案内してくれる「商店街ツアー」も毎日開催しているので、ぜひ参加してみよう。知れば知るほど、この町が好きになるはずだ。 なお、「講」最寄りの大津駅は京都駅からJRでわずか2駅9分、新大阪駅からは最速35分とアクセスが抜群。京都旅行や関西出張の新たな拠点としてもぴったりだ。 商店街HOTEL 講 大津百町 住所/滋賀県大津市中央1-2-6 近江屋(フロント棟) tel. 0570-001-810
GOSE SENTO HOTEL/奈良・御所
「GOSE SENTO HOTEL」は、奈良県御所(ごせ)市にある昔ながらの銭湯「御所宝湯」の再生を中心とした、「泊・食・湯」分離の分散型ホテル。2棟の宿泊施設と1棟のレストランを合わせ、計4棟の古民家物件を活用している。 宿泊施設のひとつ「RITA 御所まち」は、かつて「モリソン万年筆」(大正7年創業の国産万年筆ブランド)の本店だった古民家の一部を改修。チェックイン時に上質な万年筆を用いたり、すべての客室には自由に使える万年筆と便箋のセットが備えられたりしているなど、この場所の歴史を感じる上質なステイを提供する。近くの葛城山を一望できる客室や、緑豊かな庭園を望む宿泊者専用のラウンジ(写真)も人気が高い。