都知事選出馬で注目! 広島県安芸高田市長・石丸伸二、地元徹底取材で見えた"バズ市長"の意外な正体
■石丸市長がやったのは"スクラップ"だけ だが、記者が市内を取材して如実に感じたことは、市民は石丸派と反石丸派で割れているということ。反対派の中でも、4年前には輝かしいキャリアを持つ新星の登場に、「この町を変えてくれそう」と期待した人が多かった。 だが議会との対立が深まるにつれ、「子供じみたけんかばかりしおって」(60代男性・農家)と不満が募り、市の事業や公共施設の廃止ラッシュに憤りを覚えるようになる。 「改革にはスクラップ&ビルドが必要じゃろ。市長がやっとるのはスクラップだけじゃ。この町を潰すだけ潰して東京に? ふざけるな!と言いたい」(70代無職・元市職員) こうした市民感情も石丸市長にとっては逆風となる。 昨年、市の新名物をつくろうと、「あきたかた焼きプロジェクト」が始動した。これは、石丸市長が「市長就任時から温めてきた」(広報誌『あきたかた』23年11月号より)という事業で、全国から作品を公募。 昨年8月、応募総数158点の中から福岡県内の飲食店が応募したものがグランプリに選ばれ、その作品をベースにしたものを「あきたかた焼き」と市は定義した。 その後、1年もたたずして「あきたかた焼き」を提供する認証店を国内外に44店舗まで増やしたのは「市長の発信力のおかげ」と担当課職員は言うが、その半面、肝心の市内では十分な協力が得られず、「認証店が3店舗しかない」のが実情だ。 担当課職員がこう話す。 「協力要請のために市内の飲食店を回って感じたのは、『市役所の言うことは聞かんよ』と石丸市政への協力をかたくなに拒む方が少なくないこと。業務を進める上では賛否がくっきり分かれているところに難しさを感じています」 ■若い世代に大人気 一方、石丸市長を支持する人が多かったのは市内の子供たちだった。 「石丸市長、星5つです!」 学校帰りにコンビニにいた男子高校生(1年)は市長に満点の評価を与えた。 「『TikTok』で石丸市長の切り抜き動画がバズってることが多いので、学校でも市長のことはよく話題になります。物おじしない市長の姿はカッチョいいけど、どこか逃げ腰な高齢の議員さんたちには『そんなものだったのか』って思ってしまいます」