政策活動費は「ある程度は必要」 自民“ヒゲの隊長”が語る議員外交費 政治不信はどう払拭?
衆院選が公示となった15日、元陸自イラク派遣“ヒゲの隊長”こと自民党・佐藤正久議員が日本テレビのYouTube選挙特番「投票誰にする会議」に出演しました。「ルールを守る」を公約の柱に掲げた自民党。裏金の政治不信をどう払拭するかを語りました。 【選挙特番】世界と差が開く日本…同性婚の法制化/科学分野でノーベル賞“0”|投票誰にする会議~みんなの声でつくる衆議院選挙2024~
■ネットの声を“見える化” 多くを占めたのはやはり…
日本テレビ 森圭介アナウンサー 「(Xに投稿された意見をAI分析で“見える化する”)ブロードリスニングでも、面積を多く占めているのが、裏金問題や石破政権への不信感など、批判する声。今回の衆院選の争点というのは、どこだと思いますか?」 自民党・佐藤正久議員 「野党の方々は、今回の政治資金の不記載の問題を争点にしています。我々、自民党は反省すべきところは反省しますけれども、政治資金の問題だけで(国民の)暮らしは守れないし、外交防衛もできない」 「今、デフレからの脱却。自民党が野党となり、与党に戻った時の日経平均株価は8000円ちょっとで、やっと今3万9000円まできた。“自由で開かれたインド太平洋”を軸として安定化を図ろう、自前として防衛の抜本的に強化を図ろうという政策。政治とカネの問題は当然ありますけれども、それだけでは守れないということを、私も訴えたいと思います」 AIエンジニア・安野貴博氏 「選挙の間は政策の話ができるのが一番だと思います。ただ、その前提で、やっぱり裏金や政治資金の問題がここまで多くの関心やトピックを集めてしまっている。ちゃんと総括しなければ、次も、その次も政治とカネの話ばかりされてしまうことになるのではないか」 佐藤議員 「ご指摘のとおり、そこの責任をもっと早く総括しておけば、違った流れになったかもしれません。ただ結果として総選挙に入ったので、自民党自らがこの政治資金の問題が争点化されやすい環境をつくってしまったというのはあると思います」
■政策活動費は“ある程度必要”
日本テレビ 矢岡亮一郎・解説委員 「政策活動費の廃止について、公約でズバっと言及しているわけではないですよね。有権者からはどんな反応がありますか?」 佐藤議員 「私も政治改革特別委員会の筆頭理事をやって、この前、政治資金規正法を改正しました。国会で通った法律は、政策活動費について10年後をめどに使途を明確にしましょう、外部機関で監査をしましょうというだけなんですよ」 「ところが総裁選になったら、全く違ったことを言い始めて、なかには“政策活動費をなくすべきだ”と言う人まで出ました。石破さんが今後、政策活動費をどうしたいと思っているのか、党の方でしっかり議論しなければ、これは前に進むことができないと思います」 安野氏 「佐藤さんは、政策活動費を廃止にした方がいいと思いますか?」 佐藤議員 「なくさない方がいい、ある程度は必要だと思っています。各党ごとに党勢拡大のためのある程度資金は必要ですし、特に議員外交をするにおいてはお金がかかります」 「例えば、台湾と色々外交をやろうとするとき、政府は前面に出られないから議員外交をする。当然、情報元にお金を払うというのはあるわけですよ。それを明らかにすることが、日本の国益にとって本当に良いことなのか。国を守るというときの議員外交について全部明らかにしたら、相手側は話をしてくれませんよ」 安野氏 「政策活動費について、いろいろな先生が違うことを言っていると思っていて、議員外交の話もあれば、他の用途にも使ったからという方もいました」 佐藤議員 「ある程度、使途を明確にしたとしても、ゼロとなると、日本の国益を考えたとき、国が廃れてしまっては意味がありません。半導体やAI技術など、様々な交渉がある中で、すぐ明確にしていいものとそうでないものもあるわけです。だから表に出せない交渉の部分を考えると、一定程度は(議員外交費が)ないと、本当に日本が弱くなる危険性は議員外交をやった人間として痛感しています」 安野氏 「自民党の場合で良いのですが、今、政策活動費を使われているうち、“90%くらいは議員外交に使用している”など、ざっくりわかるだけでもうれしいと、有権者としては思いますね」 森アナウンサー 「説明が足りないからこそ、“いらないんじゃないの”っていう国民の声が大きくなるのはとてもよく理解できます」 佐藤議員 「発信の仕方が悪いかもしれませんが、TPPだって、どれくらい議員外交でやったか。表に出せないですよ、外交は」 「ミャンマーがビルマだった頃、アウン・サン・スー・チーさんの関係は、どうしても政府でできなかった。だから昔からある民間団体にお願いしてやってもらったとか、そういうこともあるんです。ピンと来ないかもしれませんが、島国の日本が繁栄するためには、色々な外交努力をしなければ守れない。資源がないからです」