「万博期間中はテレワークを」 博覧会国際事務局長、交通量抑制で企業に要求
2025年大阪・関西万博の開催期間中の交通対策について、来日した博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長は25日、大阪市内で開いた会見で、会場へのアクセスルートを通勤に利用する企業に対してテレワークの導入強化を求める意向を示した。万博は来年4月13日の開幕まで半年を切り、中心的な課題が運営面に移る中、来場者や各国関係者の移動をスムーズにする狙いがある。 ケルケンツェス氏は、万博参加国の代表らが課題について協議する運営委員会に出席するために来日した。会場の夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)が島のため、「人やモノの流れの調整が重要」と指摘。具体案としてテレワーク推進の可能性を運営委で提案したと明かした。ケルケンツェス氏は「公共交通機関へのストレスを軽減する。来場者やスタッフのための来場手段を確保したい」と語った。 万博期間中の交通量抑制では、日本国際博覧会協会も企業や市民に時差出勤などを要請する方針を示している。ただこれらの要請は企業活動や市民生活への影響が少なくなく、実施には慎重な調整が求められる。 ケルケンツェス氏は今回の来日中に建設中の会場も視察したとし、「(完成後は)美しい光景になる」と期待を寄せた。ただ、共同で会見した日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長は、各国が独自に建設する「タイプA」パビリオンについて、10月中旬までを目安に完成を求めた重機を用いた外観工事が終わらない国が複数あると明かし、「個別に相談を受けながら対応を進めている」と語った。(黒川信雄)