フットサル日本代表・高橋健介新監督が掲げるビジョンとは?2026アジアカップ「3位以内」、2028年W杯「ベスト8」へ向けた6つの強化指針【新体制記者会見全文掲載】
8月28日、JFAハウスにてフットサル日本代表の高橋健介新監督とテクニカルダイレクターの小西鉄平氏によるメディアブリーフィング(新体制記者会見)が行われた。 現役時代、バルドラール浦安をはじめ世界最高峰のスペインリーグでもプレーした高橋監督は、2016年に現役を退いて以降、浦安で指揮を執った後、インドネシアのフル代表、女子、U-20と3つのカテゴリーで監督を務めてきた。2022年からは日本代表チームにコーチとして携わってきた。 4月のAFCアジアカップでグループステージ敗退し、今年9月のW杯出場を逃したことを受け、木暮賢一郎監督が退任し、再出発となる代表チームを率いることになった。 高橋監督は「日本代表が世界で勝つためのフットサル」という指針を掲げ、「①マッチメイクの適正化」「②選手層の充実」「③チームマネジメント」「④トップリーグとの連携」「⑤ルールと技術の共存」「⑥海外組との交渉」という6つの強化方針を挙げた。 また、代表チームのアイデンティティとして「誇り」「責任」「覚悟」「礼節」「団結」をピッチ内外で表現していくことを定めた。 4月の敗戦から5カ月ぶりに始動するチームはまず、2026年のアジアカップで「ベスト3」に入ること、その後、2028年のアジアカップでW杯出場権を獲得し、本大会で「ベスト8以上」の結果を出すことが目標となる。そのための手段として、高橋監督は「主導権を握るフットサル」に取り組んでいく。 以下、高橋新監督のコメントと質疑応答および、小西ダイレクターの質疑応答を掲載。
「AFCやFIFAとの連携を強化していく」(小西)
──高橋監督が新監督に就任した経緯を教えてください。 小西 高橋監督の就任プロセスには、フットサル委員会が技術委員会の傘下に入り、「フットサル・ビーチサッカー部会」という形に変更されたという背景がありました。その上で、アジアカップで日本代表が敗退した後、多くの可能性について議論を重ね、その結果、技術委員会に候補を挙げ、最終的には影山雅永技術委員長を含めた決議により高橋監督が選ばれました。 高橋監督は国内での選手としての実績に加え、インドネシア代表監督としてアジアでの豊富な経験をもっていると捉えています。特に、若い選手への指導方法に秀でていて、これから成長していく選手への教え方はずば抜けています。現在のフェーズでは若い世代を育てる必要があり、また相手のリアクションを見ながら打ち手を考えていくインテリジェンスも重要とされるなかで、高橋監督の能力がこれからの日本代表に重要となると考えました。 ──フットサル委員会が部会に吸収されたことで、フットサルのプライオリティが下がっているのではないかという懸念がありますが、現状はどうでしょうか? 小西 これまではフットサル畑の人たちだけで決めてきたことで、スピード感がありました。一方で、見る視点は狭くなっていたと思いますが、フットサル委員会が技術委員会の傘下になったことで、サッカー界でも多くの経験をもっている方たちから意見などをもらうことは、我々としてはプラスに働いていると考えています。JFA内でのフットサルのプライオリティや予算が下がったわけではなく、サッカー、フットサル、ビーチサッカーを一緒に大切にしていくという方針で進められています。 ──AFCとの情報交換や海外組との交渉について、今後どのように進めていく予定ですか? 小西 レフリーとの共存については、フットサル界には優秀な方が多く、AFCやFIFAとの連携を強化し、ルール変更に迅速に対応していくことが求められます。リーグとも共有し、他国よりも早くルールにアジャストしていくことは、私も含めフットサル・ビーチサッカー部会としてやっていくべきだと考えています。 海外組との交渉は難しいですね。前回のアジア予選の前にも、ヨーロッパでプレーする選手のクラブと会話を重ね、そこで(招集する)約束をもらっていましたが、インターナショナルマッチウィーク外の試合はヨーロッパのシーズン終盤と被るため、クラブの順位に関わる状況ではやはり選手を出さないということが起きてしまう。 私たちとしても信頼関係を築くためによりコミュニケーションを増やし、JFAとしてもAFCに対して公平な取り組みを訴えていこうと考えています。
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