フットサル日本代表・高橋健介新監督が掲げるビジョンとは?2026アジアカップ「3位以内」、2028年W杯「ベスト8」へ向けた6つの強化指針【新体制記者会見全文掲載】
「来年のアジア一次予選で結果を出すことが最優先」(高橋)
今回、代表監督に就任しました、高橋健介です。大変光栄な役割を任せていただいたことに、この場を借りて感謝いたします。 複雑な心境であることが正直な気持ちです。ワールドカップ出場という目標をコーチとして果たせなかった責任は非常に大きいと思っています。この結果を受け止めて、自分に矢印を向けて、もう一度フットサル日本代表が世界の舞台で活躍する姿をみなさんにお届けできるように、全力で取り組んでいきたいと思っています。 ──ご自身の選手、コーチとしての代表経験から、日本代表選手に求めるべき要素、また「代表選手とはこうあるべき」という選手像についてお聞かせください。 高橋 少し重複しますが、ピッチ内外で代表チームのアイデンティティを体現できること。また選手たちにはそれぞれストロングポイントがあり、それをアジアや世界でどれだけ発揮できるかも求められます。さらに、相手の反応に対して適切に対応するインテリジェンスも不可欠です。これらを備えた選手が求められると思います。 ──南雲颯太選手と樋口就大選手が初招集された決め手はなんですか? 高橋 2018年のW杯に向けて選手層の充実が必要です。まずは4年後に30歳前後になる南雲(颯太)選手と樋口(就大)選手らの世代が代表の中心となることを期待しています。そして彼ら自身がFリーグで安定したパフォーマンスを発揮していることも決め手です。 南雲選手は全体のバランスが非常に良く、インテリジェンスも高い選手です。彼のリーグ戦での安定したパフォーマンスを、キルギス相手にどれだけ発揮できるかを見たいと思っていますし、期待をしています。 また樋口選手は体格に恵まれ、安定したシュートストップを見せています。前回のアジアカップではGK陣の年齢が高かったため、若い世代にも世界の舞台で戦うチャンスを与えていきたいと思っています。 ──今回のメンバーが最年少で25歳となった理由について教えてください。 高橋 フットサルは経験が重要です。そこに値する選手がいれば当然呼びますけれども、20歳以下の選手を無理に選ぶことはしません。前回のアジアカップで多くの若い選手が起用されたことから、その選手たちが継続的に呼ばれることで中堅としてチームを構成する意図があります。今回はU-18の代表も活動がありましたし、若い世代がここに入る可能性も大いにありますけど、今の段階で無理やり入れることはしませんでした。 また、2021年のW杯を分析すると、ベスト8以上のチームの平均年齢が約30歳でした。選手たちの成長の機会として育成年代の代表チームが日本にはありますし、その2軸で世界を経験しながら22歳くらいでフル代表に入るのは、決して遅くはないと考えています。 ──「インテリジェンス」という言葉が選手選考の基準に含まれていますが、アジアカップでのフィジカル面の課題についてはどのように考えていますか? 高橋 日本はこれまでスピードを生かす方針でやってきたので、小さくて速い選手が多くいました。ただフィジカル面の課題も認識していますし、これを補うために一人の選手で解決するのではなく、グループ全体で補填し合えるチームづくりが必要だと考えています。また樋口岳志選手のようにサイズのある選手を招集することでも、この課題に対処しています。 ──今後のマッチメイクについて、スペインやアルゼンチンとの対戦は予定していますか? 高橋 現在のフェーズでは2026年に向けたステップとして、まず来年10月のアジア一次予選で結果を出すことが最優先です。そのため、最初の1、2年はアジアとの戦いを多く積むことで、選手のパフォーマンスを見極めていくことが大事になると思います。 一方で、世界の強豪国との対戦で自分たちが成長できる側面もあるので、、年に1回はアジア以外の国とも試合をしていきたいとは思っています。
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