「ベネトン」のクリエイティブ・ディレクターが退任 今後はデザインチームがクリエイティブを担当
ベネトン グループ(BENETTON GROUP以下、ベネトン)は8月30日、アンドレア・インコントリ(Andrea Incontri)=クリエイティブ・ディレクターの退任を発表した。今後は、社内のデザインチームがクリエイティブを手掛ける。 【画像】「ベネトン」のクリエイティブ・ディレクターが退任 今後はデザインチームがクリエイティブを担当
インコントリ前クリエイティブ・ディレクターは、2014年6月から19年6月まで「トッズ(TOD’S)」のメンズ・クリエイティブ・ディレクターを務めていた。22年7月に「ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON)」に加わり、デビューコレクションを23年春夏シーズンのミラノ・ファッション・ウイークで披露した。なお、同ブランドは24年2月のミラノ・コレクションには参加しておらず、現時点では9月に開催予定の同コレクションの公式カレンダーにも入っていない。
共同創業者が会社を離れ、CEOも交代
ベネトンは現在、組織再編中だ。エグゼクティブ・プレジデントを務めていたルチアーノ・ベネトン(Luciano Benetton)共同創業者は5月25日、伊紙「コリエーレ・デラ・セラ(CORRIERE DELLA SERA)」のインタビューで、「現在の経営陣は会社を赤字に追い込んだ。いかに状況が悪化しているのか、最近になってようやく発覚したが、彼らに裏切られたと感じている」と発言。自身も退任するつもりだと話し、日付は定かではないが、ベネトンを離れている。
こうした動きを受け、20年4月から同社を率いていたマッシモ・レノン(Massimo Renon)前最高経営責任者(CEO)は6月18日付で退任し、後任として社外からクラウディオ・スフォルツァ(Claudio Sforza)新CEOが同日付で就任した。
インコントリ前クリエイティブ・ディレクターは、レノン前CEO時代に同社に加わっていることから、今回の退任は“自然な流れ”と見る業界関係者も多い。ベネトンは、「当社は新たなCEOを中心とした経営体制を整えるため、組織再編を行っている。その新たなフェーズの一環として、退任は互いの合意の上で決定した」と声明を発表した。
ベネトンの23年度決算は、売上高が前期比9.6%増の11億ユーロ(約1771億円)と増収だったものの、純損失は前年の8100万ユーロ(約130億円)から2億3000万ユーロ(約370億円)へと赤字が拡大している。