スポーツバイクの可能性を追求した、稀代のシングルスポーツ「SRX600」
レーサーレプリカではないスポーツバイクとして
SRX600/400が登場した1985年はレーサーレプリカブームが始まっており、400ccクラスは水冷のDOHC4気筒で59PSというのが当たり前になっていた。ヤマハにもFZ400Rがあり、スペックだけで見ればSRX600でさえ400ccクラスに遠く届かないものであった。しかし、その軽さから来る運動性能の高さや、エンジンのフィーリングは多くのライダーの心を惹きつけ、当初の販売計画を大きく上回る結果を残した。 1990年にSRX600/400はフルモデルチェンジし、リアをモノショック化した新しいフレームや前後17インチホイール、そしてセルフスターターを備えた3SX/3VN型へと進化した。セルフスターターを装備したことについては賛否両論あったが、乾燥重量は149kgと初期の1JK/1JL型と変わりなく、SRXとして正しく進化していたと言って良いだろう。
SRX600[SRX-6]主要諸元(1987)
・全長×全幅×全高:2085×705×1055mm ・ホイールベース:1385mm ・シート高:760mm ・乾燥重量:145kg ・エジンン:空冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒608cc ・最高出力:42PS/6500rpm ・最大トルク:4.9kgm/5500rpm ・燃料タンク容量:15L ・変速機:6段リターン ・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=100/90-17、R=120/80-18 ・価格:55万3000円(当時価格)
後藤秀之