看取り医が頭を抱えた!「私たちは普通の母親が欲しかった」…家を出た娘が明かす「石や包丁を投げる」天才三味線奏者の素顔
「父を母から解放してあげたい」
尚子さんに尋ねた。 「華絵さんの暴力は落ち着いてきました。攻撃的な才覚や反社会的な動きは軽減されましたが、最近は傾眠傾向にあります。そこに加齢による認知症が加わってきている可能性もあります。今後、状態は徐々に悪化してくると思いますが、このまま家での療養を続けられますか?」 「延命は望みません。父がどう思っているかわかりませんが、施設入所をお願いしたいです。父を休ませてあげたい。もういい加減、母から解放させてあげたいんです」 そんな父・武夫さんは猛暑の中続けていた、草むしりをおえて、汗を拭いながら縁側から入ってきた。 「大丈夫だよ、俺が最期までここで面倒をみるよ」 武夫さんは曇りのない笑顔でそういった。私はその気持ちを理解できないが、武夫さんにとって華絵さんを看取ることは決して不幸ではないことだけはわかった。 【つづきを読む】『後期高齢者になった「天才研究者」が書斎にひきこもり、認知症テストを拒否…「変な死に方をされたら困る」と怯える74歳妻と、看取り医がみた「異常行動」』
平野 国美(医師)
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