食材は、調理の仕方によって栄養価が全然違う! 栄養を「摂りこぼし」しないコツとは?
栄養素が集中するニラの葉先はざく切りで
次は、ニラについて。 ニラの主な栄養成分は、アリシン、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE。疲労回復や免疫力を高めるなどの効果があります。 特に葉先には栄養素が集中しているそうです。そこで、切り方も部位によって工夫しましょう。 本書では、葉先はざく切り(細かく切りすぎない)が栄養素保持の点でベスト。他方で、葉鞘から根元にかけては細かく切ってアリシンを活性化する方法が推奨されています。 ところで、ニラは保存方法に注意が必要です。冷蔵だとすぐに悪くなるので、冷凍庫での保存が「鉄則」なのだそう。 さらに、冷凍保存だとアリインが最大9.6倍、がん予防効果のあるメチインが約3.5倍に増加し、いいことづくめです。
にんにくはみじん切りがおすすめな理由
本書では、にんにくは、疲労回復効果の高い食材として紹介されています。 特にアリシンは、ニラの5倍以上含まれています。正確にはアリインというアミノ酸が、切断や咀嚼によってアリイナーゼという酵素と結びつくことでアリシンとなります。 そのため、みじん切りにしてから調理するのがベスト。切り方は、以下のように説明されています。 ・皮ごとつぶす:にんにくを皮ごと包丁で押しつぶし、繊維に沿って割れるようにする。 ・皮をむく:押しつぶすことで、外皮と薄皮がするっと取れやすくなります。 ・繊維に逆らって切る:繊維の割れた方向と垂直に端から切っていけば、みじん切りの完成。
玉ねぎの抗酸化成分は皮に集中
日々の食卓でお目にかかる玉ねぎですが、実はこれも栄養満載なのです。 アリシンは、100gあたり 230mgも含まれ、抗酸化力で話題のケルセチンは野菜の中でもダントツの含有量(28~50mg)です。 にんにくと同じく、アリシンは、細胞が壊れてアリインと酵素が結びつく必要があり、みじん切りがおすすめ。切ったあとで、10~30分常温で放置すれば、アリシンがしっかり作られます。 ただしケルセチンは70~90%が、上から3枚までの茶色い皮に多く含まれています。ただ皮は食べづらいため、本書では、この皮をから炒りし、フードプロセッサーでパウダー状にして調味料として活用することが提案されています。 では中の白い部分は栄養がないかと言うと、そんなことはありません。 たとえば、マグネシウム、カルシウム、カリウムといったミネラルが豊富。特に中心部は、そうしたミネラルの3~4割が集まっています。 芯の部分を捨ててしまうと、せっかくの成分が失われてしまうので、ここも活用するようにしましょう。