なぜ東京五輪金の“無敗女子レスラー”須崎優衣がパリ五輪1回戦で世界65位の伏兵に敗れる波乱が起きたのか…「負けない試合に執着しすぎた」元金メダリストが分析する敗因
女子レスリング界にも新しい風が吹いている。東京五輪では、川井友香子、梨紗子の姉妹、向田真優(現姓・志土地)、そして須崎と4人の金メダリストが誕生したが、連続出場を果たしたのは、須崎一人。小林氏は、強い日本勢を包囲するように海外勢の状況にも変化が見られるという。 「五輪の正式種目になってからしばらくの女子レスリングは、教科書のようにきれいな展開で勝つのが主流でした。ところが、東京五輪の前後から、日本の女子を切り崩すために戦い方のバリエーションを広げる海外選手が目立ち、日本選手に勝つ選手も出てきました。その中で連勝を続けることは簡単ではありません。極端な言い方に聞こえるかもしれませんが、五輪で勝つために世界選手権では無理して勝たなくてもいいと考えて緩急をつけたプランで五輪を狙う時代に女子レスリング界も変化してきたのでしょう」 絶対女王の須崎を倒し、うれし涙を流していたビネシュが、決勝進出を果たしたことで、須崎の敗者復活戦への出場が決定した。今日7日の敗復の2回戦でオクサナ・リバチ(ウクライナ)に勝てば準決勝でビネシュに敗れたジュスネイリス・グスマン(キューバ)と銅メダルを争うことになる。 意地の銅メダルへ。須崎は、支えてくれた人たちへの恩返しの思いも込めて、気持ちを切り替えてマットに上がる。
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