「 Cookie廃止 後、ゼロパーティデータとAI活用が鍵に」:株式会社ZEALS 遠藤竜太 氏
周知のとおり、「サードパーティCookieの廃止を2025年に延期する」と、Googleは4月下旬に発表した。ポストCookie対策を練る時間が増えたと捉えるのか、そもそもCookieに依存しない戦略を構築済みなのか、ブランドによってはまちまちだろう。 延期したとはいえ、将来的にCookieが廃止される未来は変わらない。これは、デジタル上でのコミュニケーションを取るうえで決して小さい出来事ではないことだ。 ターゲティングから測定まで容易に行えるCookieの消滅がもたらす環境をどのように見ているのか、DIGIDAY[日本版]ではソリューションベンダーに一問一答形式で聞いていく。今回は、株式会社ZEALSの取締役COOである遠藤竜太氏に話を聞いた。
ーーサードパーティCookieがChromeから完全に消滅するという事態を、どのように受け止め、考えていますか。
まず、サードパーティのWeb上の行動データからターゲティングを行ってきたブランドにとって、サードパーティCookieの消滅は大きな課題となります。しかし、この変化はサードパーティデータの限界に気づくよい機会でもあります。 現状、サードパーティCookieで取得できるデータは、主に性別、職業などの属性データ、Webでの行動履歴、地理データ、関心のある商品や商品カテゴリーのデータなどに限られています。しかし、なぜそのような行動をとったのか、購入に至った経緯などは推測するしかありません。 これから求められるのは、消費者が意図的・積極的に企業と共有するデータであるゼロパーティデータの取得です。ゼロパーティデータを通じて、消費者の行動の背景や文脈をより深く理解し、パーソナライズされたマーケティングを実現することが重要です。 具体的には、顧客の行動パターンや好み、ライフスタイル、そしてその時のニーズに沿った超個別化されたマーケティングを行うことが推奨されます。これにより、サードパーティCookieの廃止という課題を克服し、顧客にとって意味のある体験を提供できるようになります。
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