久保建英のアトレティコ移籍話「聞いたことがない」 番記者が“障害”指摘「プレミアにとって手頃」【現地発コラム】
久保は「アトレティコに合っていない」…番記者が断言する訳
右サイドハーフは、今季トップチームに加わったシメオネ監督の三男ジュリアーノが親譲りのハードワークを武器に頭角を現し、百戦錬磨の選手たちを抑えてレギュラーの座を手に入れつつある。ボランチでもプレーできるオールラウンダーのロベルト・デ・パウル、右サイドバックとしても起用されている爆発的なパワーを備えるマルコス・ジョレンテという経験豊富なフィジカルの強い選手たち、スペイン代表デビューを飾っている技巧派のロドリゴ・リケルメが控えている。 選手層の厚い今のアトレティコが久保を狙っているという報道に関して、試合日にアトレティコの本拠地リヤド・エア・メトロポリターノでクラブの番記者やサポーターに確認してみた限り、誰1人としてこのニュースを知る者はいなかった。 スペインのデジタルスポーツメディア「VAVEL」でアトレティコの番記者を務めるダビド・アジュソ氏は、「久保はスペインでよく知られている選手なので移籍の噂があれば聞こえてくるはずだけど、アトレティコが久保と契約したがっているというニュースは聞いたことがない」と信憑性に疑問を持っていた。 仮定の話として久保がアトレティコにフィットするかを問うと、「ラ・レアルの中でもトップレベルの選手で、新たな一歩を踏み出すだけのクオリティーは備えているが、それでも彼はアトレティコに合っていない」と断言する。 その理由として、「シメオネは何よりもフィジカル重視で、ハードワークを求める監督だ。久保にはマルティン・スビメンディのような中盤の有能な選手がいるし、昨季は守備に優れたミケル・メリーノがその点を補ってくれていたので、チームからそれをあまり求められていないのかもしれないし、その能力を持ち合わせているのか分からない。いざ求められたら十分対応できるかもしれないが、今見る限りでは難しいと思う。もちろんすべては今季の成績次第だが、彼はシメオネが求めるスタイルの選手ではないし、仮に加入したとしてもアトレティコでレギュラーにはなれないだろう」 「ここには小柄で、クオリティーが高く、ボックス内に頻繁に入る、久保とよく似た特徴を持つリケルメがいる。本来はより高い位置でプレーする選手だが、昨季はポジション争いの問題で主に左ウイングバックとして起用されていた。今季シメオネはローテーションを大いに意識しているが、彼をそのメンバーにあまり入れていない。久保も同じような状況に陥る可能性がある」とテクニックに長けた選手よりもフィジカル面に優れた選手を重用していることを示唆した。