久保建英のアトレティコ移籍話「聞いたことがない」 番記者が“障害”指摘「プレミアにとって手頃」【現地発コラム】
久保の新天地として浮上した強豪アトレティコ、加入した場合のライバルは?
シーズンが進むにつれてさまざまな選手の去就が話題に上がるなか、日本では現在、「アトレティコ・マドリードが久保建英の獲得を希望」というスペインメディア発のニュースが取り沙汰されている。実際にこの報道は現地でどう捉えられているのか。その疑問の前にまず、アトレティコがどんなチームなのか触れていきたい。 【実際の映像】小野伸二も驚愕「何だ、今の」…久保建英が披露した“異次元スルーパス”の瞬間 アトレティコが経済面や実績面から、スペイン3強の1つであることに異論を唱えるものはいないだろう。レアル・マドリードと同じくスペインの首都マドリードをホームタウンとし、6万人以上のシーズンチケットホルダーを抱え、熱狂的なサポーターが多いことでも有名だ。 2011-12シーズン冬からチームを率いるディエゴ・パブロ・シメオネ監督のサッカーは近年、改良を重ねてボール支配率で相手を上回ることも多いが、一貫してハードワークと堅守速攻がベースになっており、この13年間でラ・リーガとUEFAヨーロッパリーグ(EL)各2回の優勝を含む計8タイトルを獲得。さらにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝に2回進出する偉業を成し遂げている。 さらなる高みを目指すアトレティコは今季、ラ・リーガ最多の1億8500万ユーロ(約296億円)もの大金を費やし、フリアン・アルバレス、コナー・ギャラガー、ロビン・ル・ノルマン、アレクサンデル・セルロートなどの大型補強を敢行した。 序盤は新戦力が上手くフィットせずに苦しんだものの、シーズン開幕から約4か月が経過した今、チームは完全に軌道に乗っている。12月17日時点で、ラ・リーガでは最少失点(レアル・ソシエダとタイの11失点)を誇り、1試合未消化ながら首位FCバルセロナに勝ち点3差の3位で、4季ぶり通算12度目の優勝も狙える位置につけている。国王杯は順当に3回戦進出。CLでは途中躓きながらも現在3連勝中で11位に浮上し、リーグフェーズ・トップ8入りが視野に入る好調ぶりだ。 ソシエダの久保が実際にこのような強さを見せるアトレティコに加入した場合、どのポジションでプレーし、誰がライバルになるのだろうか。 アトレティコの今季のシステムは5-3-2とダブルボランチの4-4-2がベースとなっている。序盤は昨季同様の前者で戦っていたが結果が出ず、後者に変更したことが功を奏し、現在クラブ史上2番目の最多記録となる公式戦10連勝を達成している。 5-3-2は久保にとって、マジョルカ2季目にハビエル・アギーレ監督が採用したことで出番が激減した相性の良くないシステムと言える。一方、4-4-2の場合、久保に合うのは右サイドハーフか2トップの一角になるだろう。しかし、今のアトレティコは人材豊富で、ポジション争いは熾烈を極める。 アントワーヌ・グリーズマン、フリアン・アルバレス、セルロート、アンヘル・コレアが各々、与えられた役割を全うして活躍している前線のポジションに割って入るのは非常に難しい。