ヤマップが「山歩保険」提供開始、歩いた距離で保険料が変動する仕組み
株式会社ヤマップのグループ会社である株式会社ヤマップネイチャランス損害保険は12月11日、歩行距離によって保険料が変動する損害保険商品「山歩(さんぽ)保険」を提供開始した。 【画像】歩行距離に応じて保険料が変動 登山地図アプリ「YAMAP」で取得したGPS歩行距離データに基づいて保険料が変動する。活動中の歩行距離をアプリで自動計測し、1年間の歩行距離を合算して保険料が決まり、歩く距離が短い人ほど支払額が安く済む仕組みだ。 年間保険料は、固定の基本保険料2800円+変動する追加保険料で、最大5350円。例えば山での年間歩行距離が100km程度であれば追加保険料は570円程度で、基本保険料との合計が3370円程度となる。なお、保険料の年間上限額である5350円以降は、どれだけ歩いても保険料は変わらない。 山歩保険では、遭難してしまった場合に、同じ日に同じ山を登っていたYAMAPのユーザーに連絡して目撃者がいないか情報を募集して捜索に活用する仕組みを、遭難捜索の補償(最大300万円)に付帯している。補償範囲を登山やハイキングに特化することにより、同社が提供する年間保険料(個人プラン)が最大5840円の「外あそびレジャー保険」に比べて、より安価で公平な価格設定を実現しているという。 山歩保険は、ヤマップネイチャランス損害保険が2024年5月に発売した「外あそびレジャー保険」および「アウトドア家財保険」に続く新たな商品で、自動車保険業界で増えているテレマティクス保険の歩行者版と言える。同社によれば、歩行距離データと連動して保険料が決まる保険商品は世界初だという。 同社は、山歩保険とYAMAPのアップグレード版サービス「YAMAPプレミアム」の新規同時加入者を対象に、YAMAPプレミアムの料金6カ月分(4680円相当)が無料となるキャンペーンを開始した。期間は2025年1月31日まで。 INTERNET Watchでは、2006年10月スタートの長寿連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」に加え、その派生シリーズとなる「地図と位置情報」および「地図とデザイン」という3つの地図専門連載を掲載中。ジオライターの片岡義明氏が、デジタル地図・位置情報関連の最新サービスや製品、測位技術の最新動向や位置情報技術の利活用事例、デジタル地図の図式や表現、グラフィックデザイン/UIデザインなどに関するトピックを逐次お届けしています。
INTERNET Watch,片岡 義明
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