中学受験「子どもの最高の経験」にできる親の特徴 やってよかった!親子ともに成長できる受験に
「とりあえず」で受験を始めると、沼にハマる
2015年から2023年にかけて首都圏中学受験者数は9年続きで増加して5万2600人(首都圏模試センター)、中学受験率も17.86%と過去最多を記録。2024年は少し減ったものの、受験率は17.98%と上昇し人気ぶりに衰えはない。だが、中学受験は一度ハマったら、親子共々なかなか抜け出せない沼のようだということを忘れてはならないと、教育ジャーナリストの中曽根陽子氏はいう。そうならないためには、どうしたらよいのか。ここでは中曽根陽子著『中学受験 親子で勝ちとる最高の合格』から一部抜粋、再構成してお届けする。 【写真で見る】「中学受験は一度ハマったら、親子共々なかなか抜け出せない沼のよう」と話す中曽根氏 私は、これまで20年以上中学受験の世界を見てきました。最初は受験生の親として、その後は教育ジャーナリストという立場で学校や塾を訪れ、校長先生や塾の有名講師への取材を行っています。また、講演会などを通して、受験生の親御さん2万人以上にもお会いし、お話を伺ってきました。 その中で感じるのは、「この道」は一度ハマったら、親子共々なかなか抜け出せない沼のようだということ。 とりあえず子どもを塾に通わせてみたら、案外成績がよかった。そこから欲が出てどんどん受験にのめり込んでしまった……という人もいれば、子どもの成績が芳しくなく、なんとか上のクラスに上げようと親のほうが受験に必死になってしまったという人もいます。 なぜ、よかれと思って始めた受験なのに、子どもだけでなく親も「受験沼」にハマってしまうのか。 それは中学受験が「レールを敷くのは親、走るのは子ども」という二重構造になっているからです。 親のこうあってほしいという願いや教育観で、中学受験が始まりますが、実際に勉強するのは子ども。子どもの成績に一喜一憂したり、塾に行きたくないという子どもへの対応に苦慮したり、詰め込み教育への疑問を感じつつ、やめたら最後と考え、塾通いを強要する自分に葛藤を抱えたり……それでもすべて子どものためと言い聞かせながら、親も一緒に受験というレースを走ることになります。