中学受験「子どもの最高の経験」にできる親の特徴 やってよかった!親子ともに成長できる受験に
中学受験を経て同じ学校に通うことになったA君とB君
A君は父親の強い希望で、3年生から進学塾に通い出し、上位クラスをしばらくキープするほど優秀な成績でした。 両親はこれなら難関校も狙えるのではないかと期待していたのですが、学年が上がるにつれて成績が伸び悩むように。深夜まで親がつきっきりで勉強をさせていましたが、思うように成績が上がらず、家庭の雰囲気も殺伐としていきました。 最終的には塾のアドバイスもあって第一志望校を変え、さらに、その年に開校した学校を滑り止めにして受験に臨んだのです。しかし、残念ながら第一志望校には届かず、予想偏差値では安全校のはずだった併願校も、受験生が殺到し合格者を絞ったことから、まさかの不合格に。 急遽出願した偏差値40台の男子校に合格し、そこに通うことになりました。でもその学校はそれまで考えたこともなく、受験日に初めて訪れた学校だったのです。 この結果に納得できない父親が「こんな低偏差値校に行くために何年も塾に通わせたわけじゃない」と、A君の前で塾への不満を口にするようになってしまいます。夫婦関係にもヒビが入り、母親も憔悴しきっていました。 そんな親の様子から、何かを感じていたのでしょう。A君自身も、「こんな学校しか行けなかった」という気持ちをいつまでも引きずってしまい、入学後、周りを馬鹿にするような言動をして友達関係でつまずいたことから、やる気を失ってしまいました。 勉強もしなくなり、入学当初は受験勉強の貯金でキープしていた成績も次第に低迷。成績が上がらないことから、さらにやる気がなくなる……という負のループに陥り、学校も休みがちになってしまいました。 一方、B君は、幼児教室からの延長で通っていた学習塾の進学コースで、5年生から受験勉強を始めました。B君は二人兄弟で、兄は大手進学塾に通い、偏差値60台の進学校に進学していましたが、活発な兄と比べて幼くおっとりしているB君は成績もなかなか上がりませんでした。 両親はB君に合った環境で学べるのが一番と考えて、学校選びを行いました。B君とも受験について、また中学校で何を学びたいかについて話し合い、A君が進学した男子校を第一志望にして受験に臨み、合格したのです。 B君がその学校を志望するようになったきっかけは、学校の授業体験会でした。自分が気になるテーマに関する新聞作りの課題にハマってしまい、終了時間がきても作業を続けていたB君に、担当の先生が「君は自分の考えを持っていて、それを表現する力があるね。時間は気にせず完成させていいよ」と声をかけてくれたのです。 それまで自分に自信を持てなかったB君ですが、先生や在校生の温かい雰囲気が気に入って、絶対この学校に行きたいと思ったそうです。両親も、日々の課題に追われずのびのびと過ごしながら、自分のやりたいことを見つけていける学校がB君に合っているのではと思っていたので、賛成しました。 中学時代はそんなに目立った変化もなかったB君ですが、高校になってやりたいことが見つかってからは、両親も驚くほど自分から勉強するようになり、大学受験では見事、志望校合格を果たしたそうです。