「わたしに死ねと?」家賃6.5万円の部屋の明け渡し訴訟を起こされた73歳・女性。司法書士「高齢者は本当に部屋を貸してもらえません」
◆早くから把握しておく 「老後2000万円問題」ではないですが、ある程度の貯金がないと、最終的には生活保護しか生きる術はなくなってしまいます。 もちろん最後のライフラインですから、頑張った末に仕方がなければ胸をはって受給して欲しいとは思いますが、それまでにも家賃が払えないなら安い物件に移転する、収入を増やす、などの努力はして欲しいなと思うのです。 お金に追い詰められると、視野が30センチになってしまいます。そうなると、今日の「今」のことしか考えられなくなるのも仕方がありません。それは高齢者になっても、同じことです。 だからこそクリアな考えができるうちに、しっかりと今後をどうしたいのか、そのために何をすれば良いのか、考えて欲しいのです。 高齢者向けの住宅も、いろいろな種類があります。有料老人ホームから、グループホーム、サービス付き高齢者住宅等々、たくさんあります。それらを早くから把握しておくのも良いかもしれません。 実際に入所を考える時期に選んでと言われても、よく理解できないからです。 どのような種類があって、どのようなメリット・デメリットがあって、自分はどうしたいのかを考え、先に見学しておくのも悪くないと思います。 そしてまずは、今住んでいる家の家賃を最後まで払い続けられるかどうか、現状を把握することをお勧めします。 まとめ 自分が家賃を払い続けられるかどうか持ち金も含め把握しよう ※本稿は、『あなたが独りで倒れて困ること30』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。
太田垣章子
【関連記事】
- 夫婦もいつかは「おひとりさま」。亡くなる寸前まで頭がはっきりしている人は奇跡…。その時のために今備えたいことを司法書士が解説
- なぜ妻に先立たれた76歳・元大学教員宅は「ゴミ屋敷」へ変貌を遂げたのか。断捨離が自力でできるのは60代前半までと心得て
- 〈引き取り手のない遺体〉が急増中!?「誰にも迷惑をかけずに逝く」は不可能。おひとりさまこそ、準備しておくべき「死後の手続き」
- 最期を家族に頼れない高齢者が、安心して死を迎えるための〈3つの契約〉。トラブル頻発?身元保証事業者を選ぶポイントは
- 54歳おひとりさま・きんの「母のために都内駅近新築マンションを手放し、職場からは往復3時間に。それでも築50年の団地を選択して正解だった」