まだやれたはず…。現役最終年まで大活躍した日本の名手6人。引退直前まで第一線で戦い続けた男たち
スポーツ選手である以上、いつかは現役を退く時が訪れる。引退に至るまでの過程は様々だが、なかには現役最終年までチームの貴重な戦力として活躍し、「ここで辞めるなんてもったいない…」とファンから惜しまれながらも潔く引退を決断した男たちがいた。そこで今回は、現役最終年まで大活躍した日本の名手6人をピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
MF:遠藤保仁(えんどう・やすひと)
生年月日:1980年1月28日 現役最終年の所属クラブ:ジュビロ磐田 現役最終年のリーグ戦成績(2023シーズン):21試合0得点5アシスト 日本が誇る中盤の“マエストロ(名指揮者)”と言えば、ガンバ大阪や日本代表などで絶大な存在感を放ち続けた遠藤保仁だ。43歳まで現役にこだわり続けた男は、引退直前までチームに貢献。ジュビロ磐田を1年でのJ1復帰に導き、ピッチを去っていった。 鹿児島県内で大きな注目を集めていた「遠藤三兄弟」の三男として兄たちと共に技術を磨くと、10代のうちから才能が開花する。 鹿児島実業高等学校では、1年生にして全国高等学校サッカー選手権大会優勝。U-18日本代表選出やブラジルへの短期留学も経験した遠藤は、1998年に横浜フリューゲルスへの加入を決めた。 その後、フリューゲルスの消滅という予想外の苦難を経験したものの、京都パープルサンガ(現:京都サンガF.C.)を経て2001年2月に加入したG大阪では、西野朗監督が標榜する攻撃的スタイルの体現者として躍動。クラブワールドカップ(CWC)でのマンチェスター・ユナイテッドとの激闘、クラブ史上初の国内三冠など、輝かしい記録と記憶をファンに与えた。 現役最終年となった2023シーズン、遠藤は磐田でJ2リーグを戦っていた。遠藤がいるといないとでは中盤におけるプレーの意図やメッセージ性に明らかな違いがあったことからも、黄金の右足を持つ男がいかに稀有な存在だったかが分かる。 43歳のマエストロは、年間を通してリーグ戦21試合に出場して5アシストをマーク。チームのJ1復帰を見届けてから現役生活に別れを告げた。 サックスブルーのユニフォームを身に纏ったのは約3シーズンと決して長くなかったが、磐田、ひいては静岡県のサッカーファンは遠藤がピッチを駆ける姿が今も脳裏に焼き付いているに違いない。