【保存版】2024年国内女子ツアーを37試合すべて現地で見たプロが総括!
そして最終戦の「JLPGAツアー選手権リコー杯」では、歴代優勝者はドローヒッターばかりの宮崎CCでフェードヒッターの桑木志帆選手が見事に国内メジャー初勝利と今季3勝目を飾り幕を閉じました。 こうして振り返ると、初優勝から8勝し米女子ツアーの切符も手にした竹田選手の勢いと成長っぷりには誰もが驚いたことでしょう。山下選手は期待していた通りの安定感は健在で、米ツアー予選会もトップ通過と実力通りの力を発揮しました。同じく岩井明愛・千怜姉妹も国内でそれぞれ3勝を挙げた実力を発揮し二人そろって米女子ツアー参戦を決めました。大きく成長した選手としては、一時不調に陥っていた川﨑春花選手は復活優勝から3勝を挙げましたし、初優勝から3勝を挙げ国内メジャーも制した桑木志帆選手もその一人です。プロデビューから2、3年で一気にトップレベルまで駆け上がる選手が多くなり、その成長の速さと勢いには驚かされます。
一方で女子ツアーの若年化も見えて来ています。山下美夢有、竹田麗央、岩井姉妹、桑木志帆、川﨑春花選手などの20代前半の選手層と小祝さくら、河本結、大里桃子、新垣比菜、天本ハルカ選手などの26歳になった黄金世代は中堅。そしてそれよりも年上はベテラン勢ということも浮き彫りになっています。上田桃子選手はツアーから撤退しましたが、藤田さいき(39歳)、穴井詩(37歳)、菊地絵理香(36歳)選手たちはそれぞれの持ち味を生かし輝きを放っています。それぞれの世代で活躍する選手が多く存在していることも選手層の厚さやファンの獲得につながっています。 ルーキーとして今季を戦い惜しくもシード権獲得はなりませんでしたが、ファイナルQTから勝ち上がって2年目を迎える菅楓華、政田夢乃選手、そして新たにプロテストを通過しレギュラーツアーに参戦するルーキーたちも来季は盛り上げてくれることでしょう。 JLPGAが世界で活躍する選手を輩出するための取り組み、例えば4日間大会を増やすことやコースセッティングなどの成果もあり、21年の予選会では渋野日向子、古江彩佳選手、22年は勝みなみ、西村優菜選手、23年は西郷真央、吉田優利選手と国内ツアーのトップレベルの選手であれば、米女子ツアーの予選会を突破しフル参戦できる道が開けていましたが、今季の予選会でもその図式は証明された形となりました。多くの選手が米女子ツアーに参戦することで空洞化を心配する声もありますが、来季も第二、第三の山下美夢有、竹田麗央になる選手が必ず現れます。 来季の展望については別の記事で書きますのでお楽しみに!
プロゴルファー・中村修