日章学園が苦しみながらもPK戦の末に鵬学園を下し2回戦へ
7月27日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)の1回戦第1試合(35分ハーフ)で鵬学園(石川)と日章学園(宮崎)が対戦。試合は2-2のPK戦(PK:3-1)で日章学園が勝利し2回戦へ駒を進めた。 【フォトギャラリー】鵬学園 vs 日章学園 鵬学園のスターティングメンバーは、GK17松本慶斗、DF2水沼凛心、3生駒晟司、4竹中健之助、20刀祢杏蒔、MF5竹内孝誠、8能勢翼、9和田陸、10亀山日々葵、MF猪谷悠太、FW11山田春斗。対する日章学園はGK1有薗大樹、DF2野口昊平、3吉川昂我、4藤山真、5宝徳悠誠、MF6小峠魅藍、7南創太、8川越廉斗、12三田井宏生、20吉崎太珠、FW10佐久川友杜。 日章学園は今大会の主役候補と注目を集めたFW高岡伶颯(サウサンプトン内定/イングランド)が左膝内側靭帯の怪我により欠場。またFW水田祥太朗も足首に大怪我を負いピッチに立つことはなかった。 試合は初出場の鵬学園のキックオフで開始。最初のチャンスは鵬学園。8分、能勢が強いプレスからボールをカットし、そのまま左足でゴールを狙う。これは惜しくも外れたが前からの思い切りよいプレーを魅せ、チームに勢いをもたらす。その2分後には和田がドリブルで抜け出しチャンスメイクし、鋭いクロスを上げるなど日章学園ゴールを脅かす。しかし、日章学園が徐々にポゼッション率を高め、試合を支配していく。34分、日章学園の佐久川がゴールネットを揺らしたが、その前にファールの判定があり得点は認められず。しかし、その直後にも再び佐久川が吉崎の縦パスに抜け出し、決定機を作ったがゴールには至らず。前半はスコアレスで折り返す。 「少しちぐはぐになったので、立ち位置だったり狙い目の所を伝えた」と鵬学園の赤地信彦監督はハーフタイムに指示。すると試合は後半に入るといきなり動く。鵬学園は37分、中央で能勢のパスを山田が受けて再び能勢へ。能勢が中央でフリーとなり、思い切りよく右足でグラウンダーのシュートを放つと、これがゴールに吸い込まれた。リードを許した日章学園はすぐにMF11有働嵩常をピッチに投入。すると42分その有働が左から見事なクロスを上げ、それを吉崎が頭で合わせてすぐさま同点に追いつく。 以降は1-1のまま膠着状態が続くも、鵬学園は迎えた70分+1分、中央でFW14山﨑雷太からのパスを受けたMF7高井智哉が左足で決めて再びリードを奪う。しかし、最後まで諦めない日章学園は70分+6分に同点ゴールと同じく、有働の左からのクロスをフリーとなっていた吉崎が右足で突き刺し、土壇場で同点に。「良いクロスが入って来て、先輩たちがボールを繋いでくれたから絶対に決めたかった」(吉崎)。試合はそのままPK戦へ。PK戦は鵬学園が3人外したのに対して、日章学園は全員が決めて3-1で勝利した。 日章学園の原啓太監督は「トーナメントの初戦でチーム全体が硬かったです。同点ゴールもすぐに取れたので、いつ点を取れてもおかしくない状況でしたが決めきれず、このような形になり負けゲームを拾ったと思っています。守備がもろいので、明日は失点ゼロに拘って守備を修正したいと思います」とコメント。 怪我のため欠場した高岡については「彼が一番悔しいと思う。今日メンバーに入れたのもピッチ内外で前向きな声を出してくれて、試合に出なくても戦力になってくれている」と話し、高岡に代わって主将を務めた吉川は「高岡は普段の練習から声掛けもしてくれますし、今日の試合でもピッチ外から声掛けをしてくれたので、自分はピッチ内で声を出して高岡の分までしっかりと活気出してやれてました。ゴールシーンでは喜んでくれていた」と喜んだ。 2ゴールを決めた吉崎は「自分は1年生らしく、しっかりと結果を出して先輩たちをもっと上に連れて行きたい。そのためにゴールを決めてチームを勝たせたい。優勝を目指します」と意気込んだ。 勝利した日章学園は、翌28日に行われる2回戦で鹿島学園(茨城)と対戦する。 (文・写真=古部亮)