「膣カンジダ」の塗り薬の正しい使い方はご存じですか? 処方薬と市販薬の違いや生理中の使用も薬剤師が解説!
「カンジダ症」とは、カビ菌の一種であるカンジダ・アルビカンス菌(Candida albicans)が体の表面に感染し、赤みやかゆみ、痛み、腫れなどが生じる感染症です。治療方法としては薬の服用や塗り薬が用いられます。また、カンジダ症の塗り薬には処方薬と市販薬があり、種類だけでなく使用できる人も変わります。中でも、膣カンジダの治療のために塗り薬を使っていて、「こんな時どうするの?」という場面に出くわすこともあると思います。そこで今回は、膣カンジダの塗り薬の正しい使い方について、「薬剤師」の山口さんに説明してもらいました。 【イラスト解説】「梅毒」の初期症状・女性・男性の症状の違い [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
膣カンジダの塗り薬にはどんなものがある? 処方薬・市販薬について
編集部: カンジダ症の塗り薬はどのようなものがありますか? 山口さん: カンジダ治療のための市販薬・処方薬は、原因菌に作用する「抗真菌薬」に分類されるものがほとんどです。膣カンジダの場合は膣錠を併用する場合もあり、これも塗り薬と同じく「抗真菌薬」に分類されます。実際に使用される塗り薬の例として、以下の薬剤が該当します。 ■処方薬 ルリコンクリーム1%・ルリコン軟膏1% アスタットクリーム1%・アスタット軟膏1% ニゾラールクリーム2% ペキロンクリーム0.5% ■市販薬 エンペシドLクリーム(佐藤製薬) シュトガード(興亜製薬) メディトリートクリーム(大正製薬) フレディCCクリーム(ロート製薬) 編集部: 膣カンジダの塗り薬で、処方薬と市販薬の違いはありますか? 山口さん: 処方薬は「医療用医薬品」に該当し、市販薬に比べ効果もある一方、副作用の心配も大きく、使用には医師の判断が必要です。市販薬は、処方薬よりも副作用が軽く、一般の方が判断して使用できるため、使用に医師の判断が必須ではありません。ただし、2023年10月現在で市販されているカンジダの塗り薬は、薬剤師の指導が必須である第一類医薬品です。一般用医薬品の中でも「副作用のリスクが高く、特に注意が必要なもの」が第一類医薬品に該当します。 編集部: 膣カンジダは軟膏やクリームなどの塗り薬だけで治りますか? 山口さん: 塗り薬のみの使用で改善する場合もありますが、膣内まで菌が繁殖している場合は膣錠を併用するとより効果的なケースがあります。外陰部のかゆみ症状だけではなく、おりものや熱感などの症状も伴う場合は膣錠の併用も検討しましょう。処方薬の場合は処方医の指示に従ってください。