今だから明かす“日本シリーズ指笛騒動”“9月の不調”…DeNA東克樹・独占インタビュー「勝ち星より大事なもの」「3年やってこそ」のエース哲学
9月の不調、本当の原因とは
9月は5試合に登板し防御率4.20と極端に悪かった。とくに9月10日の阪神戦(甲子園)では5回0/3を投げ5失点を喫して負け投手となり、32試合連続QSも途絶えてしまった。首位攻防戦となった試合後「大事なところを任され、試合を作ることができず申し訳ない」と東は力なく答えている。あの時期、なにが起こっていたのだろうか。やはり疲労という面もあったのだろうか。 「言い訳になってしまうのですが……」 東は躊躇するように口を開いた。けれども今はただ、真実が知りたい。 「疲労ではなく、指の皮がめくれてしまっていたんです。前の試合(9月3日)の広島戦で人差し指をやってしまって、行けるかどうかわからない不安の中で投げていました。投球の際の感覚の誤差というよりも、次にめくれたら、もう今シーズン終わってしまうなと考えたし、恐る恐る投げていたというか、けれども一流のバッターがいる中、それではやっぱり打たれてしまう」 指先を気にしながらのピッチング。コンディションの善し悪しとは違う、アクシデントの中で東は葛藤していた。9月の不調は、これまでバッテリーを組んできた山本祐大の負傷による離脱が原因ではないかとの憶測もあったが、東は「それはないですね」と強くかぶりを振った。 通常であれば登録抹消し、治療期間を設けるべきだが、首位攻防戦の渦中、先発の駒も少ないこともあって、東はマウンドに立っていた。首脳陣も当然、配慮したいと思いながらも、東に懸けていた。 「だから9月中はずっとそんな感じで、そういった状況であっても投げさせてもらって申し訳ないなって気持ちもありました」 正直に東は言った。もちろん東だけではなく多くの選手が負傷を抱えての日々だった。シーズン終盤、三浦大輔監督の「無理をして出てもらっている選手もいる」という言葉が今さらながら染みてくる。それぐらいギリギリの戦いだった。
相次いだ不運な故障
どこかをかばえば、違うところに不調が出るのが人体の常だが、9月29日の阪神戦(甲子園)では今度は中指がめくれたという。 投手の体は精密機械だ。その後、東はなぜ指の皮がめくれてしまうのか原因を追究した。 「徹底的にデータを調べて、ある程度原因はわかりました。端的に言うと、リリースの瞬間の指の使い方です。来季に向け、そこをしっかり修正したいと思います」 アクシデントといえばCSファーストステージの阪神戦の際、走塁中、左太腿裏に違和感を持った。肉離れだった。しかし東は責任感から次のイニングを投げ切り、降板している。 「投げたらめちゃくちゃ痛くて……」
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