【神戸新聞杯】ウエストナウ 今が成長期!5月生まれキャリア2戦、遅れてきた大物が菊切符へ 未完成も京都新聞杯2着
「神戸新聞杯・G2」(22日、中京) 4カ月の充電期間を経てウエストナウが始動する。ここまでわずか2戦ながら、未完成だった春のG2京都新聞杯では2着。佐々木厩舎の期待を一身に背負う素質馬はひと夏を越して急成長を遂げ、持って生まれたポテンシャルの高さに体が追いついてきた。先に見据える3冠最終・菊花賞(10月20日・京都)へ-。まずは最重要トライアルを勝って弾みをつけたい。 底を見せていないポテンシャルがこの秋花開くか。メンバー中最少となるキャリア2戦馬ウエストナウ。成長待ちの段階だった春は惜しくもダービー出走の機を逃しただけに、最後の1冠・菊の切符へとかけている。 5月生まれで成長が遅く、初戦は4月の未勝利戦。7番人気と評価は低かったが、素質を見抜いた陣営の期待は大きかった。「能力は最初から高かった。調教に乗った西村(淳)騎手も『勝ち負けですね』と話していたぐらい」と中尾助手。その言葉通り豪快な差し切りVで応えた。続く京都新聞杯は想定外の逃げ。「スタートが良過ぎたのが裏目に。初戦と同じ形なら勝てたかもしれません」。初の重賞、慣れない競馬に馬が戸惑い最初のコーナーの入りで物見し斜行した。2着に粘るも、調教再審査を下されダービーの夢は霧散した。 夏は無理せず充電に充てると、これが功を奏す。「京都新聞杯の時とは別馬です。筋肉量が増えて体はごつくなり走りに迫力も出てきた」と声が弾む。春は追い切りのたびに10キロ前後減らしていたが、「今は食べた分だけ実になる。それに物見もしないし、精神面でも大人になった」と心身両面の成長は著しい。 今回は初の左回り、雨予報も週末にはちらつくが「手前の変換は左右どちらも平気。以前、荒れているCWで乗ってくれたノリさん(横山典)は『上手に走れていた』と話していたし、馬場も大丈夫でしょう」と同助手の自信は揺るがない。佐々木厩舎ゆかりのキズナ産駒。遅れてきた大物が未知のベールをついに脱ぐ。