空前絶後のビッグマッチ天心vs武尊…「勝利イメージ見える」天心か、メイウェザー戦略の武尊か…勝つのはどっちだ?
日本格闘技界の“世紀の一戦“「THE MATCH 2022」(19日・東京ドーム)の前日計量及び記者会見が18日、都内のホテルで行われRISE世界フェザー級王者、那須川天心(23)が57.95キロ、K-1 のスーパーフェザー級王者、武尊(30)が58.0キロで両者共に一発でリミットの58キロをクリアした。試合3時間前の当日計量での体重戻し「4キロ以内」をクリアして両者が対峙することとなる。武尊は、過去に天心を倒したことのあるプロボクシングの無敗の元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー・ジュニア(45、米国)の戦いを参考に秘策を練り、一方の天心は、この試合後に転向するボクシング練習を封印してキックボクサーの戦いに回帰。「勝利イメージが見える」という。ブックメーカーのオッズは、天心が1.67倍、武尊が2.10倍で天心が有利。果たして…勝つのはどっちだ?
チケットは完売。PPVは日本の歴史に残る契約件数に
武尊は待機中にネックレスを外した。1グラムでも軽くしたかったのだろう。究極まで削ぎ落した肉体の腹筋は、見事に8つに割れていたが、その腹部は、まるで女性モデルのように薄かった。リミットきっちりの58キロで計量をクリアした武尊は、すぐに経口補水液を手にして乾ききった肉体に水分を入れた。一方の天心はリミットを50グラムアンダー。余裕のある肉体の仕上げ。席に戻ると、オープニングマッチに出場する弟の龍心の隣でスマホをチェックしていた。 フェイスオフは約20秒。2人は握手をしなかった。 「前に会見で会ったときより研ぎ澄まされている感じがした」 武尊がそう印象を語ると、天心は、その時の気持ちをこう吐露した。 「やってやるぞ、という気持ちと、相手への感謝、キックボクシングへの感謝」 計量後に、主催者、出場全選手の会見が5部に分けて行われた。 「人生のすべてをぶつけて必ず勝つ。もう言葉を何も言わなくてもいい。最高の相手と最高の舞台で最高の試合ができる。天心の存在が(心を)突き動かしてくれた。その感謝も込めて戦いたい」 チャコールグレーのスリーピースで決め、赤いネクタイを締めて、先に会見した武尊は、質疑応答の間に3度、「必ず勝つ」と繰り返し、天心の会見を見ることなく会場を去った。 天心は「白黒をつける」という意味を込めて、モノトーンのチェック柄のジャケットに黒のネクタイ。 「やるべきことをすべてやった。キックボクシング人生でやってきたことをすべて出し切ってしっかりと勝ちたい。久しぶりに会う人が増えたり、漫画でいう最終回、最後の敵と戦う前。それが明日」 この試合を最後にボクシングに転向する天心にとってキックの卒業試合。会見が終わると長い時間、メディアの撮影に応じていた。 イベント規模は空前絶後のものになる。300万円のリングサイド席も含めチケットは完売。大会実行委員の榊原信行氏によると「6万人弱。実数では(東京ドームの観客動員)レコードを抜く」という。過去最高動員は、2002年12月に行われたK-1 WORLD GRAND PRIX 2002 の7万4500人だが、現在のような正確なカウントがなされていない時代の記録。また地上波のフジテレビが放映を見送ったことで独占配信となったABEMAのPPVにも申し込みが殺到。大会開始時間も繰り上げられ大会グッズも先行販売では完売。東京ドームの場外のグッズ売り場は午前8時半から販売開始される。 また地上波撤退を受けて急遽、冠スポンサーとなった「Yogibo」の協力で7月24日に東京MXテレビのゴールデン枠で、試合映像だけでなく今大会の表裏を網羅したドキュメント番組が放送されることも発表された。 その舞台でキック界最強を名乗ることができるのは武尊か、天心か。 大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」は天心勝利が1.67倍、武尊勝利が2.10倍で天心有利のオッズをつけている。様々な格闘家やOBや著名人がYoutubeやSNSで試合結果を予想しているが、ここでは直前になって発表された「THE MATCH」特別キックボクシングルールを含めたルールから検証してみた。