チームの経営権を手放したマイケル・アンドレッティが、現在の心境を語る「今後もチームをできる限り支える」
アンドレッティ・グローバルのオーナーから退くことになったマイケル・アンドレッティが、経営権が交代することが明らかになった後、初めてコメントを発表。今後もできる限りの協力を続けると語った。 【ギャラリー】知る人ぞ知る名車たち? 惜しくも勝利に届かなかったF1マシン10選 9月下旬にアンドレッティ・グローバルは、オーナーであるマイケル・アンドレッティが離れ、保険会社グループ1001のダン・トウリスCEOが新たに経営圏を握ることになったと明かした。 ただチームからは声明が発表されたものの、マイケル・アンドレッティのコメントは発表されなかった。しかし10月になって本人がコメントを発表。現在の想いなどを語った。 「私はレーサーとして生まれた。幼い頃から、私はサーキット以外での人生のことは知らなかったんだ」 そうアンドレッティは語った。 「”誰かの息子”であるということは、それは誇り高いモノであったとしても、高いハードルがあった。アクセルを踏んだら、決して後ろを振り返らなかった。成功するために、私は何でもやった。このスポーツへの情熱と愛のためにドライブした。しかし、敗北という恐怖に打ち勝つことができた。父の幼少期の夢が私の運命になり、我々は一緒に遺産と家族経営のビジネスを築いた」 「ドライバーとしての活動が減った時、将来のドライバーたちが、私よりも速く走れるように刺激を与えられる場所を作り上げることに目を向けた。多くの非常に有能で情熱的なチームメンバーの助けを借りて、それを実現することができたと思う。過去20年間、我々のチームは最高の喜びと最悪の悲しみを経験してきた。我々はモータースポーツではまだ誰も成し遂げていないと信じている世界のレベルで成長し、レース界最高の才能の何人かが、誇らしげにアンドレッティのバッジをつけているのを見てきた」 「最高の思い出の多くは、この組織の舵をとっている時に得たモノであり、我々が築き上げてきたモノをとても誇りに思っている。しかし何十年も全力で走り続けることは、犠牲なしにはできない。この数ヵ月間熟考してきた結果、一歩退くという決断に至った。レースカーから降りる前から、日々の運営にも携わってきたが、今こそパートナーであり友人でもあるダン・トウリスにバトンを渡す時だ」 オーナーから退く決断を下した理由について、アンドレッティは次のように付け加えた。 「私は自分自身、家族、そしてこのチームのために今回の決断を下した。しかしこれは、多くの人、特にファンや私の親戚にとって、多少ショックなことであるということは承知している。多くの皆さんが、私が成長するのを見守ってきた、あるいは私と共に成長してきた。そしてチームとしてどんな動きをしても、皆さんはいつでも私たちの近くにいてくれた。アンドレッティのファンが、この業界で最高だということは、私も理解している。ファンのお気に入り、模範、友人として見ていただけることをとても光栄に思う。そして生涯にわたる応援と、場合によっては容赦ない正直さに感謝している」 「でも、私は完全に去るわけではない。チームのアドバイザーとして働き、できる限りの手伝いをするつもりだ。サーキットで私を見かける機会は減るかもしれないが、このスポーツに対する私の情熱と、チームとそのスタッフたちに対する私のサポートは、揺るぎないモノだ」 「アンドレッティのファンである皆さんが、長年私と私の家族に示してくれたのと同じ熱意と忠誠心で、これからもチームを支え続けてくれることを願っている」 「10歳の双子を含む美しい家族とより多くの時間を過ごし、個人的なレベルや他のビジネスで新しいことを探求していくのを楽しみにしている。だからこれは別れではない。新しいページをめくるだけなんだ」 アンドレッティ・グローバルは、ゼネラル・モーターズ(GM)をパートナーに、11番目のチームとしてF1に参戦することを目指している。FIAはこれを承認したもののF1からの賛同は得られず、まだその目標は達成できていないが、経営権が変わった後も引き続きF1参戦を目指していくものとみられる。
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