今季5度のハットトリックで16試合・26得点。怪物級スコアラー・山桐正護は、なぜそんなにゴールを奪えるのか?|フットサル
味方からのパスを受ければ、瞬く間にゴールを奪う。 アグレミーナ浜松のエースストライカー・山桐正護の勢いが止まらない。 【映像】Fリーグが誇る“最強”GK先制点の瞬間 キャリア最多の27得点で、リーグMVPと得点王の“W受賞”を果たした昨シーズンに続き、ここまでリーグ戦16試合で26得点をマーク。そのうち5度のハットトリックを記録する決定力の高さは、「わかっていても止められない」恐るべき存在だ。 「試合に勝つというミッションに対して、自分はピヴォとして点を取るという仕事を任されている。毎試合、その役割をしっかりとこなすだけだと思ってプレーしています」 特別なことをしているわけではない、と言わんばかりに淡々と答える山桐だが、その胸の内には誰よりも熱い、競技への愛を秘めている。 「なんでそんなに決められるのか、監督の僕も聞きたいくらい(笑)。でも、彼を絵で表すと半分以上がフットサルを占めている。それくらい大好きなんだなというのは、確かです」 指揮官・金井一哉監督も太鼓判を押す、“F2の怪物”の素顔とは──。 取材・文=青木ひかる
得意技は「ずる賢いプレー」
「今節は、何点決めただろうか」 前日までに終わった試合の結果記事を書くために、リーグの公式記録のサイトを開くと「山桐正護」の文字がずらりと並ぶ。2点くらいかなと予想すると、たいてい3点か、多い時には4点決めており、期待を裏切らない選手だなと毎回驚かされるのが、毎週月曜日のお決まりだ。 「フットサルは展開が速く、たくさん点が動く」ところが魅力の一つではあるものの、警戒されれば当然のことながらマークは厳しくなり、コートが小さい分カバーリングも早いため1人の選手が1試合で複数得点を挙げるのは容易なことではない。 ではなぜ、山桐は一人だけ突出して得点を量産できるのか。もちろん、チームメートから信頼されボールが集まりやすいというのも一つだが、最大の強みとして手数をかけずに決め切る能力の高さが挙げられる。 「自分は、足元の技術が高い選手ではないし、フィジカルで戦うのも昔から好きではないんですよ。フェイクでマークを外すようなずる賢いプレーをしたり、ボールを受ける立ち位置を意識しています」 今シーズン決めた26得点のうち、約半分に当たる14得点をワンタッチで決めていることからも、いかにボディコンタクトを少なくゴールを奪うことを意識しているかが伺える。それゆえに、「簡単に決めているように見えてしまう」のが山桐の特徴だ。
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