【家族の絆】「私よりも母と仲良しで鬱陶しかった」ネグレクトの姪を救った母。その裏で娘が思っていたこと~その1~
従姉は進学も就職もすることなく、家事と介護だけをする存在になっていた
伯母の家は離婚をしたことで祖母を頼り、祖母の家で一緒に暮らすことになっていた。その祖母の家での家事を、従姉が1人で担っていたのだ。 「離婚して、祖母の家で暮らすようになったときには上の兄はすでに家を出ていて、3人で暮らしていたのですが、伯母が働きに出たことで当時中学生だった従姉が1人で家事のすべてを担っていたようなのです。従姉はそのことを誰にも一切言わずに、家族のために働き続けていたのです」 従姉は高校には進学するも、大学には進学することなく、就職することもなかった。その理由は、高校在学中に祖母に介護が必要になったから。伯母はそのことを一切隠さず、誇らしい娘として聡美さん家族に語っていた。 「『あの子は家族のために頑張ってくれる親孝行な娘』と、伯母は自慢げに言っていました。でも、従姉はまだ20歳ぐらいだったのにおばさんのような感じで若さがなくなっていて、正直なところあんなふうになりたくないと私は思っていました。 従姉のそんな様子に私の母も思うところがあったみたいですが、自分の姉に何かを言うことを躊躇してなのか、何も言いませんでした」 仕事をしている伯母はどんどん綺麗になっていき、家で家事や介護をしている従姉はどんどん老いていく。そんな従姉が聡美さんの母に助けを求めてきたのは、自分の生理用のナプキンを買う費用を貸してほしいというものだった。 「伯母は一定の額を生活費と従姉に渡していて、そのお金で足りない場合にはひどく怒ってくるようで、頼れなかったと、私の母親に泣いて伝えていました。母はその話を聞いて、自分の姉と話し合う決意を決めたんです」 伯母と従姉の仲は決別し、従姉は聡美さんの母を頼り、聡美さんの母も従姉を守るようになった。 【~その2~は関連記事から】 取材・文/ふじのあやこ 情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。
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