マー君は果たして何勝できるのか?
ポスティング申請をしていた楽天の田中将大投手が、ニューヨーク・ヤンキースと7年162億円、ポスティングフィーを含むと182億円の超大型契約で合意に達した。単年に換算すると、ダルビッシュ有や、黒田博樹の年俸を越える額だ。では、マー君は、それだけの投資をヤンキースが回収できるような投手になれるのだろうか。つまりマー君はメジャーで通用するのだろうか? 1年目に何勝できるのだろうか?という疑問だ。 2013年のWBCの投手コーチで評論家の与田剛氏は、こう見ている。 「マウンドの固さや高さ、乾燥、ボールの滑り具合など、メジャー独特の環境があります。彼は、その環境への適応は早いと感じています。WBCの公式球と、メジャーの公式球は違ったものですが、彼は『滑りますね』と言いながらも、チームで一番慣れるのが早かったのです。環境面での不安で言えば、それより気候への対応でしょう。寒かったり暑かったり、乾燥したりデーゲームがあったりと変化が激しいですからね。でも、あのスプリットは通用すると思います。変化球を使いながら、いかにストレートを打者に速く感じさせるかというピッチングスタイルへの微調整は必要でしょう。ただ何勝するか?と聞かれれば、今のヤンキースならば、13勝くらいかもしれないなと考えているんです」 13勝? ダルビッシュの初年度は29試合に先発して16勝9敗、松坂大輔は15勝12敗、それに比べると13勝は、日本人過去最高額の投手に対しては控えめな予想勝ち星だ。 その心は? 「ヤンキースのチーム状態です。リベラが抜けて抑えが確定していません。しかも、中継ぎが弱い。そこから崩れてゲームを潰したケースを何試合も見ました。マー君には完投能力がありますが、1年間、ローテーで使うことを優先して球数で降板するでしょうから、勝ち星は、中継ぎ、抑えに委ねることになります。また打線が安定していません。Aロッドと、カノが抜けました。新しい戦力を補強していますが、どういう打線の組み合わせになって機能するかも見えてきません。打線の援護もそう期待はできません。ヤンキースは名門ではありますが、現段階での戦力は強豪ではないのです。ここから先、どういう補強をしていくかにも左右されますが、結果的に勝ち星は、稼げないのではないでしょうか」