マー君は果たして何勝できるのか?
カルロス・ベルトラン、ジャコビー・エルズベリー、ブライアン・マッキャンらをFAで補強したが、打線は、まだ不安だ。加えて引退した伝説のストッパー、マリアノ・リベラの後継者も決まっていない。与田氏の語るようにマー君の勝ち星を援護する体勢は磐石とは言いがたい。またC・Cサバシア、黒田博樹に次ぐ3番手の扱いとなるのか、それとも今後の補強の影響で、4番手、5番手の扱いになるのかでも、登板間隔や年間の先発試合数などが違ってくる。 「これだけの巨額な投資ですから、私は15勝から20勝を3年というよりも、確実な2桁を7年続けるという使い方を球団として考えていくんだと予想しています」と与田氏。 ただ、その一方で、ダルビッシュ超えを予想する声もある。北京五輪のチームで日本代表チームのスコアラーとして、マー君と共に活動した経験のある三宅博氏は、最低16勝はできるのではないかという意見だ。 「スプリットは武器になる。感受性の高いマー君だけにアメリカの環境に対応できるかどうかという不安はあるが、馬力はあるので中4日、中5日の登板感覚などには、影響されないだろう。元々は立ち上がりが悪いピッチャーだからメジャーを相手に日本と同じ感覚で配球していけば、崩れる危険性もあるが、そのあたりは考えてくると思う。私は4月を順調に滑り出すことができれば、ダルビッシュの1年目と同じくらいか、それ以上、16勝以上は勝てると思う。初年度に苦労したとしてもポテンシャルがある投手なのだから長い目で見れば成功はするだろう」 もしローテーの3番手となるならば、4月3日に敵地で行われるアストロズ戦が、ヤンキースの開幕第3戦目だ。おそらくキャンプインから、ニューヨークのメディアのマー君ウォッチングはスタートして、162億円の値段に値するのか、しないのか、果たして何勝できるのか?と騒がしく話題にしそうである。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)