芸術の秋に行きたい、アート&デザインの展覧会10
暑さもようやく落ち着き、秋の気配を色濃く感じるこの季節、各地でアートイベントが続々とスタートしている。『エル・デコ』ならではの視点で注目の展覧会をピックアップ。気になるものを見つけたら、芸術の秋を満喫する計画を立ててみよう。
ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ/森美術館(東京)
20世紀を代表する最も重要なアーティストの一人である、ルイーズ・ブルジョワ(1911-2010)の70年にわたるキャリアを振り返る大回顧展。日本では27年ぶり、国内最大規模となる本展では、ブルジョワを象徴する「蜘蛛」をモチーフにした彫刻を含む100点を超える作品を「私を見捨てないで」「地獄から帰ってきたところ」「青空の修復」の3章で紹介。そのおよそ8割が、日本初公開となる。中でも、パリで生まれたブルジョワが結婚を機にニューヨークに移住してから約10年の間に制作された初期の絵画作品は必見。アジア初公開となる10点以上がまとめて展示される。 本展の副題「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」はハンカチに刺繍で言葉を綴った晩年の作品からの引用だ。自らを逆境を生き抜いた「サバイバー」だと考えていたブルジョワの作品群の中に、ときに私たちが直面する「地獄」のような苦しみに立ち向かうヒントを見つけたい。 会期/~2025年1月19日(日) 会場/森美術館 住所/東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 開館時間/10:00~22:00 ※火曜日のみ~17:00 ※2024/10/23(水)は~17:00まで、12/24(火)、12/31(火)は~22:00 ※最終入館は閉館時間の30分前まで 休館日/会期中無休 【写真】ルイーズ・ブルジョワ《かまえる蜘蛛》2003年
塩田千春 つながる私(アイ)/大阪中之島美術館(大阪)
ドイツ・ベルリンを拠点に世界で活躍するアーティスト、塩田千春の出身地でもある大阪で、16年ぶりとなる大規模な個展が開催中だ。「人とつながってはいけない」パンデミックの経験が自身に大きく影響を及ぼしたと語る塩田は、本展において、他者との「つながり」に、3つの【アイ】-「私/I」「目/EYE」「愛/ai」を通じてアプローチを試みた。 会場には、新作を含む6点のインスタレーションを中心に、絵画や立体作品、ドローイングが並ぶ。中には、塩田のターニングポイントになったという30年前以上に描かれた油彩画も。作家の個人的な側面に触れる作品から、没入感を味わえる大規模なインスタレーションまで、それぞれと対峙し、自分を取り巻く人やモノ、環境との「つながり」を感じてほしい。 会期/~2024年12月1日(日) 会場/大阪中之島美術館 5階展示室 住所/大阪府大阪市北区中之島4-3-1 開場時間/10:00~17:00 ※入場は~16:30 休館日/月曜、10/15(火)、11/5(火) ※10/14(月・祝)、11/4(月・休)は開館