金山の奥にあるのは「焼酎蔵」だった! トロッコ列車で探検する鹿児島の大人気スポット 発見した"おとなのタイムカプセル"とは?
未来の自分に向けて贈る、タイムカプセルのような長期熟成焼酎
「熟成と共に福来たりをご購入いただくと、最長5年間保管でき、指定した日が来ると熟成庫から自宅まで配送される仕組みになっています。瓶のラベルにメッセージを書き込むことができるので、未来のご自分への贈り物として購入していかれる方もいれば、あと数年で成人になるお子さんへの将来の贈り物として購入される方、未来の結婚記念日に配送されるように夫婦で購入される方など、用途はさまざまです」と、案内人の田渕さん。 これは、まさにおとなのタイムカプセルと言えるだろう。数年後の自分や家族を想像し、その時に向けてラベルにメッセ―ジをしたためる作業は、なんとも感慨深い作業だ。
金の観音菩薩像や神社も、奥に眠る驚愕のパワースポット
「焼酎の製造場」を抜けると、その先には予想もできないパワースポットが待ち構えている。坑洞内に『薩摩開運神社』がひっそりとたたずんでいるのだ。島津家第17代当の主島津義弘(しまづよしひろ)公(1535~1619年)を祭神として祀る神社として『焼酎蔵 薩摩金山蔵』が誕生した際に鹿児島県姶良市に鎮座する『加治木精矛神社(くわしほこじんじゃ)』から分祀されたものだという。 島津義弘公は、戦国時代から安土桃山時代の薩摩を代表する武将。1600年の関ヶ原の戦いの時、西軍の石田三成とともに東軍の徳川家康と戦ったが、劣勢に立たされ、敵陣の真ん中を突破し薩摩へ戻ってきた人物だ。 後に「島津の退(の)き口」として語り継がれる。その苦難を思い、鹿児島では秋に「妙円寺詣り」という伝統行事が行われるほど、家臣に慕われていた。『薩摩開運神社』には、自ら運を開くご利益があるそうだ。近代日本を生み出す力を与えられた串木野金山の「金運」を併せもつパワースポットでもある。 さらにその奥では異彩を放つ「金の観音菩薩像」を拝むことができる。1929年頃に串木野金山の作業員によって建立された菩薩像だそうで、当初は金採掘へ向かう作業員たちを見守ってきた。戦争になり没収されたが、戦後に三井串木野金山が再開され、その十数年後に新しく建立されたものだという。今はこの場所で焼酎を静かに見守っている。 『焼酎蔵 薩摩金山蔵』を訪れたら、ぜひ歴史を語る焼酎蔵の見学とあわせて神社や観音菩薩像などのパワースポットも楽しんで帰っていただきたい。今まで体験したことのない、記憶に残るひとときが過ごせるだろう。 『焼酎蔵 薩摩金山蔵(しょうちゅうぐら さつまきんざんぐら)』 [住所]鹿児島県いちき串木野市野下13665 [電話]0996-21-2110 [営業時間]10~17時 [休日]平日、公式HPを要確認 [交通]JR「串木野駅」より路線バスで川内方面へ。「野下口」下車、徒歩約5分 [料金]特別試飲付きコース(20歳以上の方限定)2500円、試飲無しコース(3歳未満無料)、予約価格大人800円、小人400円、当日価格大人900円、小人450円 」 [見学ツアー予約フォーム]https://ma.shochu.life/kinzan_tour_2024_[公式HP]https://www.hamadasyuzou.co.jp/kinzan/ 文・写真/中村友美 フード&トラベルライター。東京都生まれ。美術大学を卒業後、出版社で編集者・ディレクターを経験後、現在に至る。15歳からカフェ・喫茶店巡りを開始し、食の魅力に取り憑かれて以来、飲食にまつわる人々のストーリーに関心あり。古きよき喫茶店や居酒屋からミシュラン星付きレストランまで幅広く足を運ぶ。趣味は日本全国の商店建築巡り。
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