【詳報】ファジアーノ岡山、念願のJ1入り決める プレーオフ決勝、ホームで仙台に2―0
サッカーJ2のファジアーノ岡山は7日、岡山市のシティライトスタジアムで行われたJ1昇格プレーオフ(PO)決勝で仙台を2―0で下し、チーム誕生20周年の節目で悲願のJ1入りを決めた。2009年のJ2参入から16年目の初昇格は、鳥栖の13年を上回る史上1位の“スロー出世”となった。 ファジアーノは前半20分、ペナルティーエリア左からMF末吉が右足で巧みなループシュートを放ち先制。後半16分にMF本山のゴールでリードを広げた。守備陣は最後まで集中力を切らさず無失点に抑え、リーグ戦3~6位の4チームが1枚の昇格切符を争ったPOで頂点に立った。 木山監督就任3年目の今季、安定した戦いぶりで勝ち点を積み上げた。リーグ38戦で失点は過去最少の29。屈強な守備を武器に初の連敗ゼロで終え、PO圏(6位以内)からこぼれることがなかった。主将のMF竹内は「メンバー全員が反骨心と向上心を持ってサッカーに向き合ってきた。最高の努力が最高の形に結びついた」と振り返った。 歴史的な一戦を見届けようと、会場は満員となる約1万5千人のサポーターらが詰めかけ、客席を「ファジレッド」に染め上げた。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間は総立ちで、大きな歓声と拍手でイレブンの奮闘をたたえた。09年にファンになったという岡山市中区の会社員(34)は「この日を待ちわびていた。夢みたいな気持ちです」と興奮を隠しきれない様子だった。 ファジアーノは05年岡山国体に向けた強化の一環として、地元のクラブチーム「RFK」を母体に発足し、04年に公式戦デビュー。08年に日本フットボールリーグ(JFL)に昇格し、09年にJ2入り。POには過去2度出場し、6位で臨んだ16年は決勝でC大阪に敗れ、過去最高の3位で挑んだ22年は1回戦で山形に敗退した。 木山隆之監督の話 クラブの悲願をかなえられ、ほっとしている。全てのサポーター、創設時から歴史を紡いできた人たちも力を貸してくれたと思う。強い守備と前に向かうアグレッシブなスタイルを貫けた。戦ってくれた選手、スタッフに感謝しかない。