<引退前に若い人へ頭を下げ慣れておくべき>と71歳プロダクトデザイナーが断言する理由とは?「年齢なんてただの記号にすぎず…」
内閣府が令和5年に行った「国民生活に関する世論調査」によると、60~69歳の人が最も多く答えた悩み・不安の内容は「老後の生活設計について」だったそう。しかし「60代になったからといって『それらしく振る舞わなきゃ』と行動を制限する必要はない」と語るのは、SNSのフォロワーが10万人を超える71歳のプロダクトデザイナー・秋田道夫さん。今回は、秋田さんの著書『60歳からの人生デザイン - 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学』から、60歳から毎日を機嫌よく過ごすための生き方を一部ご紹介します。 【書影】毎日が「腑に落ちた日常」に変わる、最高にポジティブな60点主義のススメ。秋田道夫『60歳からの人生デザイン - 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学』 * * * * * * * ◆若さを羨まない そりゃあ誰でも、若いほうがいいに決まっています。負け惜しみは言いません。 でも、今の1日は、時に「若い頃」の半年分ほどの密度があったりすることも多いので、捨てがたいというのが本音です。 わたしは若い頃、若さや体力で仕事をしてはいませんでした。 ささやかな自慢は、若さに頼ったり、若さを振り回したりはしなかったことです。 また仕事を「体力勝負」と思った記憶もありません。 ゆえに今も「ふつう」に仕事を続けられています。 もっとも、周りの空気はそうではありませんでした。 当時「デザイナーは体力勝負」などとよく言われていたものです。 もしかすると、今もそうかもしれません。でもそんな風に「若さ」で勝負をしていたら年々つらくなるばかりでしょう。
◆「知ること」と「わかること」 当時から体力に自信があるほうではなく、睡眠不足になるのも苦手だったわたしは困りました。そこで「知識量(知恵)と工夫と集中力(省エネ)」を大事にして、それを磨くように尽力しました。 体力ではなく工夫で勝負した結果、今でもやれているのでしょう。感性が古びたわけではないですし、アイディアも変わらず出てきてくれます。 また「あの時はできなかったけれども、今ならできる」と感じる瞬間もよく訪れます。たとえば若い頃に「知識」として知っていたことを、今になって肌身で実感できたりするのです。 要は「知ること」と「わかること」は異なるのです。 ですから、若い人に嫉妬をするような気持ちはありませんし、若さへの憧憬もありません。それは、自分自身が若い頃に「パッとしていた」という思い出がないのも大きいでしょう。 周りの若い世代を見ても「パッとしていた」という記憶は出てきません。
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