40歳過ぎてから夫婦で囲碁に挑戦。新井素子「目指せ初段!定年を迎えた夫と、晩酌しながら囲碁を打つ喜び」
◆ケンカになるので夫とは打ちません 囲碁は夫婦2人で同時に始めたため、実力もほぼ一緒。同じペースで学んでいけたのは幸いでした。 でも最近は、夫とはなるべく打たないようにしているんです。なぜなら、かなりの確率でケンカになるから(笑)。囲碁は対局後に感想戦という振り返りをするのですが、夫に自分の失敗を指摘されると、ついムカッとしちゃうんです……。 ただし旅行の時は別。囲碁は新幹線の中で時間つぶしにやるにはもってこいなので、携帯用の碁盤を持参して、夫婦で楽しんでいます。囲碁関係のイベントがあれば連れ立って行きますし、夫が録画しておいてくれた囲碁番組を観ながら碁石を並べてみたり。お互いに意見を言い合えるから、とても楽しいのです。 夫も定年を迎えたので2人の時間が増えて、「夫婦で同じ趣味があるって悪くないなあ」と思います。 ものごころついてから、私の唯一の趣味は本を読むことでした。今でも一番好きなのは読書です。それはもう、本を読んでいない自分など想像できないくらい。 でも、小説家という仕事をしていて趣味が読書というのもねえ(笑)。なので40歳を過ぎて囲碁という趣味を持てて、本当に良かったです。 (構成=上田恵子、撮影=本社新聞部)
新井素子