”ノウハウの沼”にハマった女性を支配する「完璧なママでないと見捨てられる」という罪悪感の「本当の正体」…自分なりの完璧を見つける方法
自分に合った方法でないと効果は出ない
「誰でもできるすごい方法」「〇〇するだけで〇〇になる」なんて言葉を見る、と道子さんでなくても「これなら何とかできるかも」と、意図せず「今度こそ変われそうな気がする!」などときめいてしまいますよね。 これまでに多くの専門家たちが「スッキリ生きるための知恵」や「ネガティブ感情の整え方」などを提唱してくれています。 たしかに助けになるものもありますが、落とし穴もひそんでいます。どんなに素晴らしい方法も、あなたに合っていなければモヤモヤを解消してくれない、という点です。なぜなら、脳内情報は人それぞれが違うからです。 私たちの脳には、過去の経験を通して得た情報がそれぞれの解釈で、記憶として保存されています。 例えば海が好きな人は「海が好き」という前提の解釈で情報が集められ、海が苦手な人は「山が好き」という解釈で、海よりも山を優先とした順位で脳に情報が入っています。 道子さんはお子さんを愛したい思いとは裏腹に、優先順位が“完璧に家事をこなす自分”になっていました。もちろん自分では気がついていません。 そして、そのように優先順位がズレていた原因は「完璧なママでないとお母さん(実の母親)に見捨てられる」という恐怖と戦っていたからでした。 「あんたみたいな要領の悪い子と結婚した旦那さんはかわいそう」 「あんたみたいな子は人一倍頑張らないと」 つまり実の母親の過去の心無い言葉が、知らないうちに彼女の脳内を支配していたのです。そんな事実に気づいた道子さんは、より深く自分と向かい合い、より以前の閉じ込めてきた感情まで思い出すことができました。 どうすれば要領よくできるか?」という幼少時の気持ちがスタートだったことも突き止められました。だから完璧でない自分への罪悪感がモヤモヤとなって出ていたのです。 道子さんに必要だったのは、子育てや家事の既存の(人が考えた)ノウハウを収集して駆使することではなく、まずは「自分らしい完璧とは?」を考え、「自分に合ったノウハウ」を見つけることでした。 それが「子どもをゆっくり見る、子どもと関わる時間を持つ!」という決心だったのです。 「自分らしく生きたい」「本当に心からスッキリしたい」と思ったとき。万人向けのノウハウでは人生は変えられません。 反対に、自分らしい感情の整理をしていけば、自分に合った最高の方法でモヤモヤを打ち消し、これからの人生をスッキリとした気持ちで進めるのです。 …つづく、<「ポジティブすぎて、鬱になった女性」の苦しみの正体…そのモヤモヤの「危険信号」はこうして見抜く>では、突如、鬱になってしまった、真面目でポジティブな女性の「モヤモヤした悩み」を解消するまでのプロセスを紹介します。
田中 よしこ(マインドトレーナー)