門脇麦と巡る台北旅!「守るだけでなく、適切に使う」木々との絆を取り戻す街へ[FRaU]
国土の約3分の2を森林が占める台湾。豊かな山や森があるのだが、日本と同じく林業の衰退による森林の荒廃問題が深刻化している。木材自給率は1%ほど。木材のほとんどを輸入に頼る現状を打破すべく近年、国を挙げて持続可能な森林づくりに乗り出しているという。一度は失われてしまった木々との絆を取り戻そうとする台湾の人々。その姿を探して、俳優の門脇麦さんと一緒に台北を旅した。
鳥も虫も花も、みんな元気! 木々と共に生きる台北の街
「あっ、あれはカササギじゃないですか!? 本物を見るのは初めてだから、すごく興奮します!」。そう言って走り出す門脇麦さん。台北に来てからというもの、野鳥や虫、花を見つけては目を輝かせている。東京23区で育った門脇さんだが、アウトドア好きの父に連れられて、小さな頃から登山や釣り、スキーなど自然の中で遊んで育った。今でも休みができたら山へ、海へ。それが一番のリラックス、エネルギーチャージの時間なのだとか。
門脇さんにとって台湾は特別な意味を持つ場所だ。演技の道に入る前、高校時代から台湾映画に惚れ込み、俳優になってからは台湾映画に出演することを夢見てきた。今年6月に公開された台湾・日本合作映画『オールド・フォックス11歳の選択』への出演が決まった時は、心底嬉しかったと振り返る。 「撮影時はゆっくりと街を見る余裕がなかったのですが、こうして歩いてみると大きな木がたくさんあって緑が濃い。花が多いせいか、鳥や虫も種類が多くて、賑やかですね」
自然を愛する門脇さんが最初に向かったのは今年3月にオープンした〈0km山物所〉。台湾初の山をテーマにしたコンセプトストアで、山岳や自然にまつわるアイテムや食品が一堂に会する注目のスポットだ。古民家風の建物は日本統治時代に建てられたもので、かつては台湾総督府の山林課官の宿舎だった。
「近年、台湾の若い世代の間で自然や環境に対する関心が高まっているんです。そうした機運をもっと盛り上げようと、政府、デザイナー、建築家が集結してこの空間を作りました」とは、プロデュース担当者のひとり、陳思吟さん。庭には台湾固有の植物を植え、元々あった老木もできる限り残した。エントランスに立つ堂々たるタイワンエノキの大木を見るために、ここを訪れる人も少なくない。