門脇麦と巡る台北旅!「守るだけでなく、適切に使う」木々との絆を取り戻す街へ[FRaU]
台湾で多く生育する竹を使った工芸作品を作るデザイナーで〈CHUZI 筑子〉を主宰する楊筑鈞さんは、若い世代に自国の森林の豊かさ、その楽しみ方を伝えるひとり。伝統的な編みの手法を継承しつつ、サイズ感やデザインに現代的な要素を加えることで、人気を博している。
「成長が早い竹は、どんどん切って使わないと土壌をダメにしてしまいます。一時は法律で伐採が禁止されましたが、植物の種類によってルールを変えなくてはいけないということが理解されて、切れるようになりました。そんなふうに、きちんと植物の性質を知って保護や活用をしていくのが本当の意味での持続可能な林業だと思います」と楊さん。プロダクトを通して、森と上手に付き合う方法も発信していけたらと語る。 CHUZI 筑子 台北市大安區潮州街137號 営業時間:11:00~17:30 定休日:月・火・水
台北のあちこちで芽吹いている、自国の森林や木々に対するアクション。最後に門脇さんが訪れたのは、有機農家が多く出店する週末市場〈希望廣場〉だった。
台湾全土から農家が集まる市場には、有機農家専用のスペースがあり、とくに若い農家の姿が目立つ。有機栽培のバナナを試食した門脇さん、その甘さに目を見開いて、感激していた。
「森や木、環境を大切にしましょうって、日本でも声高に言われますが、どうしても一時的なブームとかイベントになってしまいがち。でも台北ではそれが日常に溶け込んでいて、年代や性別を問わずに、いい方向に向かおうとしていると感じました。
自分の立場から自発的に働きかけていくこと。そして何か新しいアクションを起こす時に、一気に全てを更新するのではなくて、過去に培ってきたものを振り返り、大切にすること、そこから学ぶこと。それを台湾の人々から教えてもらいました。そんな姿勢を取り入れていけたら、きっと何かが変わるんじゃないかな」 希望廣場 台北市中正區北平東路31號 営業時間:土10:00~19:00(日~18:00) 土曜・日曜のみ開催
PROFILE 門脇麦 かどわき・むぎ 俳優。1992年、東京都出身。2014年の映画『愛の渦』などで数々の映画賞を受賞。公開中の台湾・日本合作映画『オールド・フォックス 11歳の選択』(監督:シャオ・ヤーチュエン)に出演。 ●情報は、FRaU2024年8月号発売時点のものです。