門脇麦と巡る台北旅!「守るだけでなく、適切に使う」木々との絆を取り戻す街へ[FRaU]
〈慈聖宮〉屋台 台北市大同區保安街49巷17號 営業時間:9:00~17:00頃(屋台によって異なる) 定休日:不定
守るだけでなく、適切に使う。森との絆を取り戻す人々
木や緑が身近にある台湾の暮らし。その一方で日本と同じく材木のほとんどを輸入に頼ってきた結果、森林荒廃が深刻化している。台湾では過激な森林伐採を食い止めるため1990年代から商業目的の天然林伐採を禁止。木材自給率は1%未満にまで落ち込んだ。森林の荒廃や、それに端を発する自然災害の増加などを受け、2017年、政府は「国産材元年」を宣言。適切に手を加えつつ、健全で安全な森林を保つ持続可能な森づくりへと舵を切った。それに伴い、様々な分野で森と共生する取り組みが始まっている。
近年、世界的に高い評価を得ている台湾コーヒーもそのひとつ。台湾産の豆だけを使用するコーヒーショップ〈森高砂珈琲館〉(「高」は正しくははしごだか)では、各地の農家と共に森を伐採せず、お茶などの農地を活用してコーヒー豆を栽培する取り組みを行っている。ただでさえ貴重な国産の豆だが、森を切って農地を作る農家からは豆を仕入れることはしない。“森を守るコーヒー”は多くの人の共感を得て、農家の生活水準の向上にも追い風となっている。 森高砂珈琲館 大稲埕本店(「高」は正しくははしごだか) 台北市大同區延平北路二段1號 営業時間:12:00~20:00 定休日:なし
台湾ローカル・ガストロノミーの旗手として人気のレストラン〈EMBERS〉は、内装に国産のヤナギスギを使ったことで注目を集めている。薄いスギの板が折り重なり、一つの大きな幹を作るようなインテリアオブジェは、自然を丸ごと食べるような郭庭瑋シェフの料理を体現しているかのようだ。
「ヤナギスギは柔らかくて建材には不向きです。でもしなやかだからこそ、美しい表現ができます。日々食材をいただいている台湾の山の力強さ、温かさを伝えるにはぴったりだと思ったんです」と郭さん。ヤナギスギの材木を扱った際に知った、その爽やかな香りを生かそうと、ヤナギスギの葉を原料にしたオリジナルのジンまで作ってしまった。 EMBERS 台北市大安區仁愛路四段122巷24號 営業時間:18:00~22:30 定休日:月・火