400ccのエンジンをリアに搭載したマイクロカー

　スクーターの「ベスパ」でお馴染みのピアッジオは、かつてマイクロカーと呼ばれる小さなクルマ「ベスパ400」を発売していました。 【画像】こりゃカワイイね！ 65年前の「ベスパ」のクルマを写真で見る（32枚）

オークションに登場した1959年式「ベスパ400」Drew Shipley(c)2024 Courtesy of RM Sotheby's

　アイコニックなスクーター、ベスパですでによく知られていたピアッジオは、1957年にモナコでマイクロカーの「ベスパ400」を発表し、熱狂的な反響を呼びました。 　このクルマはピアッジオの設計に基づき、フランスのフルシャンボーにあるACMA社で製造されました。 　初年度は1万2000台が生産ラインされ、多くの消費者がこの可愛いマイクロカーを買い求めました。 　リアにエンジンを搭載し、キャビン後部には荷物や小さな子供2人が乗れるスペースがありました。 　ロールバック ルーフを備えた可愛らしい小さなクーペは、400ccの2ストロークエンジン搭載している点を除けば、スタイリッシュなアウトビアンキ「ビアンキーナ」と遜色ありませんでした。 　ボディシェルはモノコックで、ユニークで先進的なストラット式サスペンションを備えていました。 ※　※　※ 　テキサス州セギンの新聞に掲載された 「売りたし：変わった小さなクルマ」という広告を見て、現オーナーはそんな奇妙なクルマを所有することに興味を持ちました。 　最初に出会ったとき、このクルマは荒れ果て、倉庫に横向きに保管され、フロントバンパーがフロアパンの穴に突き刺さっていました。 　それでも1999年1月に契約が結ばれ、クルマはウエストバージニア州に運ばれ、約5年にわたる修復作業がすぐに始まったのです。 　純正部品がほとんど手に入らない中、現オーナーは創意工夫を凝らしてクルマのさまざまなパーツを作り出しました。未硬化のブレーキライニングを古いシューにリベットで留め、スライド棚式のバッテリーボックスを製作し、さまざまな内装トリムパーツを作るために金型を作りました。 　さらに、新しいフロアパン、カスタムのウレタンドライブカップリング、スピードメーターのガラス、ベントガラスガスケットを手に入れました。 　オーナーは地元の職人と協力して、内装や板金加工を行いました。 　細部に至るまで丹念にレストアされたベスパ400は、個性にあふれ、この先何十年もの間、その姿を目にする喜びを与え続けることでしょう。 　この1959年型ベスパ400、RMサザビーズのオークションでは、落札価格は2万～3万USドル（1USドル＝154円として、308万円～462万円）と予想されています。