子連れ再婚をした妻が「性的行為」を拒む…追い詰められた夫が抱く「大きな疑念」
性的な関係が一切ない
カイトはやや言いにくそうにしていたが、次のように語った。 「あまり他人に話すことではないのかもしれませんが、二人ではかえって話が進まないので、思い切って話題にしますが、ぼくたちは、今の今まで性的な関係がありません。僕も別に急ぐ気持ちはなかったので、焦らずに待つつもりでしたが、妻は一向にその気はないようでした。僕がそれを話題にすることすら嫌そうだったので、妻は僕に触れられたくないんだなと感じました」 それを聞いた友香は、調停人の方をちらりと見たが、何も言わずにまた下を向いた。調停人は、カイトの発言に対する友香の意見を聞こうとしたが、そんな友香の様子を見て、次のように提案した。 「このまま同席で進行しますか、それとも、少し別席でお話ししますか。もし、相手に伝えたいことがあるけど、顔を見ては話しづらいということがあれば、別々にお話をうかがってもいいかなと思います」 双方ともに別席を希望したため、一旦別席にて進行することとなった。
夫はいい人だと思うけど……
別席になった後、友香は大きなため息をつき、初めて前を向いて調停人の顔を見つめた。調停人は、「やっと友香さんのお顔を正面から見させてもらったような気がします。先ほどは話しづらかったですか」と話を向けた。 そう問われた友香は、とつとつと語り始めた。 「すごく説明が難しいのですが、私は他人に対してそういう感情が抜け落ちているところがあります。元夫との間には何とか子どもができましたが、そういう行為は好きではありませんでした。元夫の浮気でその傾向に拍車がかかったように思います。でも、息子にお父さんを作ってあげたい気持ちも強くて、何となくカイトさんならいいかなと思って結婚しました。でも、やっぱり、その気になれなくて。カイトさんはいい人なのですが、愛情というのがよく分からなくて……」 そして友香は最後に「自分はアセクシャル(他人に対して愛情や性的欲求を感じない)だと思う」と口にした。