阪神・藤川球児監督、若虎に寄り添って伸ばす 球児流「脱〝ふてほど〟指導」や!
阪神・藤川球児監督(44)が8日、新人合同自主トレ初日の視察のため鳴尾浜を訪れ、ドラフト1位・伊原陵人(たかと)投手(24)=NTT西日本=らルーキー9人に訓示した。入寮にぬいぐるみを持参する選手も多く「ジェネレーションギャップを本当に感じる」と率直に語るが、寄り添いながら導く。時代に合わせた火の玉流〝適切にもほどがある〟指導で、金の卵たちに輝いてもらう! 冷たい風が吹き抜けた新春の鳴尾浜に、熱いメッセージが響く。藤川監督が新人選手らに伝える言葉には、世代を越えた愛が詰まっていた。まずは訓示で、プロとしての心得を説いた。 「ピッチャーはキャッチボールの一球一球というのを、コーチたちも見ている。そこをおろそかにしなかったら現役が終わるまですごく丁寧にやれる。バッターはもちろん、最後までやり切るという癖をつけておけば、どこまでいっても基礎は大事になる。そこを頑張ってやってください」 向き合い、真っすぐな視線で見つめてくれたルーキー9選手。今季就任した44歳の青年監督だが、最年少の今朝丸とは「26歳差」だ。6日の彼らの入寮の様子は指揮官も見聞きし、率直に驚いた。 「人形(ぬいぐるみ)を持ってきているというのはちょっとビックリしましたね。ジェネレーションギャップを本当に感じる次第ですけど…」 D1位・伊原(NTT西日本)がスヌーピー、同2位・今朝丸(報徳学園高)はドラえもんと、かわいらしい〝同伴者〟を連れて新生活をスタート。「僕たちの時は『何だそれ…』と言われたけど」と、昭和生まれの指揮官にはなかった発想だった。ただ、そこでも柔軟に捉えられるのが球児流だ。「コーチたちにも子供たちや家族がいる。『いまの時代の子供たちはこうだよね』ということを共感しながら進められたら、彼ら(新人ら)が高圧的に感じることもなく戦える」。ギャップが生まれようと、それぞれの考え方をしっかりと理解を示しながら埋めていく。 若者に寄り添う姿勢はこれだけでない。将の現役時代にあった「×時まで練習しろ!!」といった時間で区切るスタイルは押し付けない。おのおのがアマチュア時代に学んだ独自の練習法も、空いた時間でプロの練習と並行して行うことは大賛成だ。昨年はテレビドラマ発の「不適切にもほどがある!(ふてほど)」が新語・流行語大賞の年間大賞を受賞したが、藤川虎が歩むのは、まさに〝脱・ふてほど〟指導だ。