ゴルビーの「理想」遠く 冷戦後の世界覆う効率至上主義 移りゆく世界の中で(2)
東西冷戦の象徴とされた米軍三沢基地(青森県)の巨大アンテナ、通称「象のオリ」。1965年から旧ソ連や中国の無線傍受に使われた高さ40メートルのアンテナ群だが、冷戦終結に伴ってその必要性が薄れ、2014年から撤去が行われ姿を消した=2014年10月
前回、次回に取り上げると予告したテーマは「東西冷戦の終焉」である。「東西冷戦」と言うとき、東を代表するのが、当時のソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)、西を代表するのがアメリカ合衆国(米国)であったのは、衆目の一致する事柄であろう。その「終焉」への道程の主要な登場人物は、まずは、1985年3月にソ連共産党の書記長に就任したミハエル・ゴルバチョフ(1990年3月よりソ連大統領、1991年12月辞任)、1981年1月に米国大統領に就任したロナルド・レーガン(1989年1月まで在任、2004年没)。当時は、米ソ両国のみが「超大国」と呼ばれ、両国の首脳会談は「巨頭会談」とも称された。1973年の第4次中東戦争を契機とする第1次石油危機による世界経済危機への対応をめぐって、フランスのランブイエで第1回の「先進国首脳会議」が開催されたのは1975年だったが…(青森公立大学経営経済学部教授・藤井一弘)
本文:7,820文字
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