親の金にすがり、高級品を買いまくる…中国のZ世代「月光族」15の特徴…ほかに「ATM奴」「コウ老族」も
ビジネスパーソンをはじめ日本でもその扱いの是非について話題になることが多いZ世代。いままでの世代とは圧倒的に異なる特徴やマネジメントの仕方など、ニュースでもたびたびとりあげられることが多くなっています。 【漫画】Momoka Japan 外国人が日本食を食べて感動が止まらない いっぽう、お隣の国、中国でも日本と同じくZ世代のその激しい動向に注目が集まっているようで…。SNSでは「@May_Roma」(めいろま)として活動し、元国連職員で海外事情にも明るい谷本真由美氏が、その驚きの実情について解説します。 *本記事は谷本真由美『世界のニュースを日本人は何も知らない6』から抜粋・再編集したものです。
中国のZ世代を日本にたとえると
最近の中国や海外では、1997年から2012年に産まれたZ世代の動向が注目されています。彼らの多くが月末までに給料の大半を使ってしまうのですが、そんな若者たちは中国では「月光族」と呼ばれています。 「月光族」は親世代と異なり消費に熱心で、刹那的な生き方をしており、結婚や出産には興味がなく貯金もしません。 コンサルティングファームのKANTAR(カンター)が2021年に発表したレポート「創造性はどのようにしてZ世代と低層都市の消費者を獲得できるか」(How can creativity win Gensan low-tier city consumers)によれば、なんとこの世代は2025年までに中国で2000万人に及ぶとされており、中国の消費の半分をこの世代が占めるようになる見通しです。 中国中央電視台(CCTV)の2021年の報道によれば、もっとも豊かな大都市の若者の5人に2人が「月光族」だといいます。 シンガポールの公共放送局CNAのドキュメンタリー「中国における愛と愛のなさ」(Love〈less〉In China:)では、中国の恒生銀行のチーフエコノミストであるダン・ワン氏が「月光族は比較的新しい現象で、若者は収入のすべてを使ってしまううえに、オンラインで借金をしている」と指摘しています。 「月光族」の特徴は、次の通りです。 ・最新型のiPhoneを所有 ・食事を抜いてもコーヒーを飲む ・空腹でも最新型のバッグを買う ・とにかくおしゃれな服を買うのが大好き ・美容に熱心 ・美容整形や化粧に金を使う ・デジタル技術に精通している ・旅行にお金を使う ・メイクに熱心 ・パーティーやバー、外食が大好き ・アニメ、漫画、ゲーム、ラノベが好き (ACGN=中国語圏の日本の二次元文化の総称) ・ウイスキーやカクテルを大量に消費する ・芸能ネタが大好きで日本や韓国の芸能にもくわしい ・漢服(Hanfu)など中国古代の文化や歴史を好む ・人とつるむのが嫌い ニュースサイトJing Daily(京日報)の2024年3月13日の記事「中国の月光族の新興は贅沢にどんな意味をもたらすか」(What the rise of China’s‘moon light clan’means for luxury)では、中国の高級品の15%を購入しているのは、なんと「月光族」に当たるZ世代だと指摘しています。 「月光族」は生活必需品ではない美容が娯楽になっており、ニュースサイト「36Kr」によると中国のZ世代にはネイルアートが人気で、2024年2月には中国の動画サイト「抖音」(ドウイン/Douyin)の高成長ビューティーカテゴリーで第2位となりました。 つまりネイルアートはショッピングや飲食と同じような、身近な娯楽になっているわけです。22~40歳以上の女性の半数超が年4回以上の頻度で利用し、近年は国産ブランドの展開する店が人気で、チェーン店ではInNail(インネイル)やNaillook(ネイルルック)が有名です。 競争が激しいのでマッサージなどの追加サービスや独自のネイルアートをセットにする店舗が急増中。 とはいえお値段は安くはなく、都市部だと通常は100元(約2000円)ほどのネイルアートは旧正月の時期になるとなんと1800元(約3万8千円/2024年10月時点)にまで高騰します。