親の金にすがり、高級品を買いまくる…中国のZ世代「月光族」15の特徴…ほかに「ATM奴」「コウ老族」も
お金はないのに、消費に熱心な月光族
「月光族」の遊び方は派手です。たとえば北京の20代男性、ジンさんは教員ですが週末はクラブやバーに通うのが常。タクシー代なども入れると、一晩で1万6千円(日本円換算)ほど使うため、貯金がほとんどありません。 さらに1日の労働時間が10時間を超えるため、翌日の仕事の準備や睡眠時間の確保で一日が終わり、配偶者を探すこともできません。 ジンさんは「自分の生活の維持すら大変なのに、妻や子どもの生活を保証するなんて考えられない」と言います。 「月光族」は「コウ老族」とかぶっているともされます。これは生活費や娯楽費が足りないために、自分の親や祖父母の貯金や年金にたかる若者を指します。 また彼らの中には「ATM奴」(ATM奴隷)と呼ばれる人々もいます。これは彼氏や彼女、夫や妻に延々と貢ぐ人のことを指します。 ちなみにこのような消費に熱心なZ世代は、台湾やシンガポールでは「草莓族」(いちご族)とも呼ばれています。彼らは高級品の消費に熱心ないっぽうで、忍耐力がなく精神的に弱く、プレッシャーや厳しい状況に非常に弱いとされています。 また、ここまでご紹介してきた中国のZ世代の傾向を日本に置き換えると、バブル期の「新人類」「氷河期世代」「ゆとり世代」をすべて合わせたような世代となります。 バブル世代のようにアッシー君やメッシー君のような存在がおり、高級品の消費に熱心で、海外旅行や外食先に消費しまくり、結婚は先送り、そのため経済状況は厳しくなるいっぽうで貯金もなくお金が足りないので親に頼り、自分の家も買えず、その割には精神的に弱く勤労意欲も低い“ゆとり世代的”なマインド。 さらに、中国共産党によるインターネットの海外情報の遮断により、若い世代のなかにはGoogle、YouTubeの存在すら知らない若者もいると谷本氏は指摘し、そのためむしろ政府を支援する姿勢を取る場合も多いといいます。 つづく<中国に新たな異変…ここにきて中国の若者が「共産党クイズ」に大熱狂しているワケ…Google、YouTubeは存在すら知らない>では、そんな中国のZ世代の実態を【後編記事】でお伝えします。
谷本 真由美(著述家)