たった1年でSNS総登録数100万人超、新卒エントリー4倍! eスポーツが企業ブランディングに与える影響
そもそもeスポーツとは、野球やサッカーのように1つのルールで戦うものではない。さまざまなゲームタイトルがあり、年代によって好まれるものは異なる。プロリーグや世界大会が行われているタイトルも数多く存在するという。 ┌────────── 先日サウジアラビアで開かれた「2024年eスポーツワールドカップ」では、19もの人気ゲームタイトルが選抜されました。eスポーツ史上最大の大会で、賞金総額は約93億円にのぼります。来年は初の「eスポーツオリンピック」が開かれますが、おそらく20タイトル以上が選ばれるでしょう(生田氏) └────────── 生田氏は、このタイトルについて、「テレビのチャンネルのようなものだ」と説明している。eスポーツというメディアの中に複数のチャンネルがあり、さまざまなゲームコンテンツにアクセスできる。そして、チャンネルごとに違う話題がある。 ┌────────── 昔は「今日は巨人が勝ったね」「阪神が勝ったね」といった話題が日常的なコミュニケーションとして使われていましたが、今後はこれがeスポーツにかわります。「昨日はSCARZが勝ったね」「REJECTが世界で活躍したね」という会話が当たり前になっていくでしょう(生田氏) └────────── 生田氏によると、すでにそのような現象は起きているという。彼のX(旧Twitter)のタイムラインには、主に20代前後の若者たちの投稿が流れ、ほとんどがeスポーツに関連した話題で占められている。つまり、eスポーツはすでに若者たちとのコミュニケーションにおいて重要なメディアとなっているのだ。
Webの時代が終わる? Z世代のeスポーツ好きはブラウザを見ない
さらに、30歳以下にリーチしようと思うなら、もう1つ重要なポイントがあるという。それは、Z世代のeスポーツファンはWebを見ないということだ。 ┌────────── 彼らのスマートフォンのホーム画面には、ブラウザがないです。ブラウザからスタートするという概念が彼らにはなく、使うのはもっぱらX、Instagram、DiscordといったSNSです(生田氏) └────────── Discordとは、無料のチャットアプリです。音声、ビデオ、テキストでのコミュニケーションが可能で、ユーザーは「サーバー」と呼ばれる個別のコミュニティを作成・参加してやり取りができる。特に、ゲームをしながらボイスチャット機能を使ってコミュニケーションを取ることができ、若者の間では標準装備になっているという。 ┌────────── ここでキーとなるのは、Webがなくなるということです。もちろん完全に消えるというわけではありませんが、新しいメディアが出現すると、古いメディアは必ず廃れていく。現在のようにWebで多くのことができる状況は変化するでしょう。 今のZ世代が成長を続け、5年後10年後には、働き盛りの30代~40代に突入します。その頃には、日常的にWebを見る習慣はなくなっている可能性があるということです(生田氏) └────────── その代わりに台頭してくるのが、eスポーツとその関連メディア、そしてソーシャルだ。「eスポーツ自体が、ソーシャルの中のコンテンツメディアだと考えるといい」と生田氏は語る。 ┌────────── なぜキノトロープがeスポーツに参入したのか、その答えは「Web屋がなくなるから」です。今我々は大規模CMSなどの価値を売っていますが、新しいメディアが到来したことで、今後Web関連の仕事はどんどん儲からなくなるでしょう(生田氏) └──────────