[MOM4987]高川学園MF松木汰駈斗(3年)_トルメンタに欠かせない高精度キッカー、青森山田対策5バックは右WBを担当
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ Sponsored by アディダス ジャパン] [12.31 選手権2回戦 青森山田1-2高川学園 NACK] 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 トルメンタ旋風の再現とばかりに、高川学園高(山口)が鮮やかにゴールネットを揺らした。 伝家の宝刀が抜かれたのは後半7分、高川学園は右サイドでCKを獲得すると、ゴール前で4選手が手を繋いで旋回する“トルメンタ”を発動。MF松木汰駈斗(3年)がニアに蹴ったボールに輪から飛び出したDF柿本陽佑(3年)が反応すると、シュート性のクロスは左ポストを叩いたが、こぼれ球を繋いでFW大森風牙(2年)がヘディングで押し込んだ。 高川学園は後半29分のFKの場面でも、今度は5人で旋回するトルメンタを披露。ここでは得点にならなかったが、相手を惑わせた。3年前の21年度大会でみせたトルメンタは、当時海外メディアも取り上げたことで反響は世界中に広まった。ただ当時のチームは準決勝で青森山田に0-6で大敗。セットプレーのチャンスをもらえずに敗れた苦い思い出があった。 それもあって江本孝監督は、「先輩たちのためにもトルメンタを一回くらいやってくれないかな」と選手たちに注文していたという。セットプレーの攻撃に関しては選手の自主性にすべて任せていることから“お願い”という形になったようだが、「まさかその流れで点が入るとは」と指揮官もイレブンに最敬礼だった。 奇策に目が行きがちだが、そもそものキックの精度があってこそのプレーでもある。その点で松木の右足から繰り出される正確性は、目を引くものがあった。またこの日は高川学園が普段の4バックから5バックを採用したことで、普段左SHを務める松木が右WBに入っていた。 ただ「山田と試合をするとなってから、自分のポジションも変わると言われていた」と松木自身も1か月間の準備期間の成果を強調する。そのうえで「山田にセットプレーで勝つのは難しいと思ったので、ミーティングも何回もした。トルメンタで目線が変わるように、ニアからファーに蹴って決めるという練習は何回もしてきたので、その形が出せたと思います」と充実の表情で振り返った。 埼玉県出身の松木にとっては凱旋マッチでもあった。「家族や知り合いも結構観に来てくれていました」。当初は県内の高校進学も考えたが、紹介された高川学園の練習会に参加した際の雰囲気の良さ、そして先輩たちが“トルメンタ”で話題を集める姿をみて、3年間を山口県で過ごすことに決めた。 青森山田を倒したことで満足するつもりはない。トーナメントのAブロックは激戦区となっており、次戦も強豪の静岡学園高との対戦になる。ただ松木は「どの相手でも自分たちの目標は日本一。どのタイミングで当たっても、同じ高校生。一戦一戦、勝ちを積み上げたい」と気を引き締めると、「セットプレーの種類?まだあるし、またミーティングとかをしていろいろ考えたい」と意欲的に話していた。