【サブスクで観るならこの1本!】あなたは正体を見破れるか!?裏社会の大物をめぐるサスペンス映画の傑作
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は1995年製作の『ユージュアル・サスペクツ』をご紹介します! ◇ 『ユージュアル・サスペクツ』(1995年・アメリカ) (配信: U-NEXT / Hulu) 現在と過去回想が入り交じるクリミナルサスペンス! “カイザー・ソゼ” とは何者か…… 『X-メン』シリーズなどで知られるブライアン・シンガー監督の出世作であり、第68回アカデミー賞にて脚本賞・助演男優賞を受賞したサスペンス・ミステリー。とある事件の容疑者として集められた前科者の5人の男たち。釈放後に手を組み宝石強奪などの犯罪を重ねていくが、誰もその顔を見たことがないという裏社会の伝説的大物 “カイザー・ソゼ” に目をつけられ、麻薬密輸船の襲撃を強いられるのだが……。 張り巡らされた伏線、巧みなミスリード、見る者をアッと驚かせるどんでん返しなど、予測不能な展開が売りとなる作品は古今東西無数にあるが、そのジャンルの代表格として決まって名が挙がるのが本作であり、一度映画の道に足を踏み入れた者なら、遅かれ早かれ通ることになるであろう90年代を代表する名作である。ネタバレ回避のため細部には触れないが、物語はこうだ。麻薬密輸船の襲撃が終わった“現在”と、麻薬密輸船の襲撃に至るまでの“回想”。主にその二軸が同時並行で描かれていき、次第に真実が明らかになっていく。 隅々にまで伏線が張り巡らされているのと同時に、気付かぬうちにミスリードもされてしまい、初見ですべてを見抜ける人は少ないはず。 どこまでが真実なのか、何が伏線であったのか、 “カイザー・ソゼ” とは一体何者なのか。一度観たのなら、自ずともう一度見返したくなってしまう秀逸なストーリー。冒頭だけでも見返してみると、既にヒントが散りばめられており、ガブリエル・バーン演じるキートンが発するセリフにも深い意図が込ることに気がつけるはず。久しく見返していない方も、タイトルは知っているけど観たことがないという方も、この機会にぜひご覧ください♪ (C) 1995 Rosco Film, GmbH & Bad Hat Harry Productions, Inc. All Rights Reserved. TM,(R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. ※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。 ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。
ミヤザキタケル